DMとチラシの違いとは? 手法別におすすめのターゲットや目的を解説

DMのお役立ちコラム

【リード文】

ポピュラーな宣伝手段として多くの企業で使われているDM(ダイレクトメール)やチラシ。

伝統的な紙の広告媒体ですが、Web広告全盛の現代においても依然として大きな影響力を持っています。

本記事ではDMとチラシによる宣伝を考えている企業の担当者向けに、それぞれの概要とメリット・デメリット、制作にあたってのポイントなどを解説します。

DMとは?

DMは「ダイレクトメール」の略です。

現在では個人宛てに送られるEメールやSNSのメッセージもそう呼ばれることがありますが、本記事では個人や法人宛てに直接届く現物の手紙のことを取り上げます。

はがきや封書、あるいはリーフレットなどの形で商品やサービスの宣伝・告知などを行うことを目的としたメディアの一種です。

文字どおり特定の個人や法人にダイレクトに訴求するものであり、伝統的なアプローチといえるでしょう。

DMの種類

ではDMには具体的にどのような種類があるのでしょうか。

以下に代表的な例を表としてまとめました。(2023年6月時点)

はがきや封書にバリエーションがあるのはもちろん、下記の規格に当てはまらない柔軟なデザイン例もある点に注意しましょう。

種類サイズ重量/1通あたり料金特長
はがきDM100㎜×148mm2~6g/63円郵便はがきのサイズ
2つ折り圧着はがきDM100㎜×148mm(展開サイズ:約195㎜×148mm)2~6g/63円郵便はがきのサイズ
3つ折り圧着はがきDM100㎜×148mm(展開サイズ:約290㎜×148mm)2~6g/63円郵便はがきのサイズ
往復はがきDM148mm×200mm4~12g/126円郵便はがき(往復はがき)のサイズ
大判はがきDM107㎜×154mm2~6g/63円第二種郵便物の最大サイズ
型抜きはがきDM不定不定/120円~定形外郵便
A4サイズDM210㎜×297mm50g以内/120円定形外郵便(規格内)
紙封筒DM(長形3号)120mm×235mm  25g以内/84円 50g以内/94円定形郵便
紙封筒DM(角型2号)240mm×332mm50g以内/120円 100g以内/140円 150g以内/210円 250g以内/250円 500g以内/390円 1㎏以内/580円定形外郵便(規格内)
透明ビニール封筒DM(長形3号)120mm×235mm  25g以内/84円 50g以内/94円定形郵便
透明ビニール封筒DM(角型2号)240mm×332mm50g以内/120円 100g以内/140円 150g以内/210円 250g以内/250円 500g以内/390円 1㎏以内/580円定形外郵便(規格内)

※参考:日本郵便株式会社.「国内の料金表(手紙・はがき)」 .https://www.post.japanpost.jp/send/fee/kokunai/one_two.html,(2023-6-28).

関連記事:DMにはどんなサイズ・種類がある? 選ぶポイントや用途別おすすめサイズを解説https://dmplus.jp/column/what-sizes-and-types-of-dm-are-available/

DMのメリットやデメリット

次にDMの持つメリットとデメリットについて見ておきましょう。

まず、メリットとしては以下のものが挙げられます。

  • ターゲットにピンポイントで届けられる
  • ターゲットを年齢・性別・購入(利用)履歴・居住地域・職業等で細かくセグメントできる
  • 開封・閲読率が高い
  • 行動喚起率が高い
  • 封書ならノベルティやサンプルを同封できる
  • 購買行動の追跡により効果測定ができる

これらのうち、DMでは詳細な送付先の顧客リストを用いるのが前提であるため、送り先をセグメントした状態での施策が可能です。このことによってターゲティングの精度を高める効果があります。

またwebサイトや専用ページへのURLやQRコードを記載したり、DM本体にキャンペーンクーポンなどの機能を持たせたりすることで効果測定が可能となります。

このように購買行動の重要なデータを収集できる点も、DMの大きなメリットといえるでしょう。

一方、デメリットとしては次のようなものがあります。

  • 送付先リストが必要
  • 制作費用に加え送料もかかるためコストが割高

個人や法人に直接送るDMでは当然ながら送付先リストが必要です。事前にこれを入手するハードルを認識しておきましょう。

またチラシなどの媒体と異なり、送料がコストとしてかかることもポイントです。費用対効果に見合う施策であるかどうかの検討が不可欠となります。

※参考:一般社団法人 日本ダイレクトメール協会 研究開発委員会編. 「DMメディア実態調査2022」調査報告書要約版.  https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2023-000026.pdf, (2023-6-16).

関連記事:ダイレクトメールのメリット・デメリットは?CRMによる役割や活用方法も紹介のコラムhttps://dmplus.jp/column/what-are-the-advantages-and-disadvantages-of-direct-mail/

チラシとは?

チラシとは紙の広告情報媒体で、店頭や駅など人出の多い場所への設置あるいは対面配付、新聞・雑誌・郵送物などへの折り込みが一般的です。

「散らし」がその語源ともいわれるように、不特定多数の目に触れることを目的としたメディアの一つです。

チラシの種類

紙のチラシには街頭などにおいて単体で配るもの以外に、その他の媒体に織り込んだり郵便受けに直接ポスティングしたりするタイプがあります。

以下にその代表的な例を表にしました。チラシ本体のサイズは多様ですが、各媒体での一例を示しています。

種類サイズ特長
新聞折り込みチラシ例: B4(257mm×364mm)新聞紙1ページのおよそ半分の大きさ
フリーペーパー折り込みチラシ例: B5(182mm×257mm)上記B4サイズの半分
ポスティングチラシ例: A4(210㎜×297mm)玄関ポストに入り、オフィスや公文書で使用されるサイズ
同封タイプチラシ例: A5(148㎜×210mm)カタログや郵送物などに同封するタイプでサイズは多様

チラシのメリットやデメリット

チラシにもメリットとデメリットがあるため、その特性を把握しておきましょう。

まずメリットとしては、

  • 不特定多数の人に訴求できる
  • 保存性が高く、読み返してもらえる可能性がある
  • 対面配付では直接ターゲットを絞れる
  • 折り込みでは地域や対象新聞を設定できる

などが挙げられます。

厳密なターゲットを定めず不特定多数の目に触れさせることが目的のチラシは、マスマーケティングの手法にあたるといえます。

街頭などで手渡しする際には目視で性別や年齢層などのターゲティングが可能ですが、あくまで感覚的な対応です。

また折り込む新聞や地域を指定するといった使い方もあり、ピンポイントではなくエリアを対象とした施策となります。

一方デメリットとしては、

  • 関心がなければ読まれない
  • 紙面の制限から情報量に限りがある

といったものがあります。

いずれもチラシのみに限った問題ではありませんが、不特定多数に向けるのが前提であるためどの程度の人が興味を持ってくれるかは予測しづらくなります。

読まれることなくそのまま廃棄される場合も珍しくなく、チラシの特性による宿命ともいえるでしょう。

紙面の制限はDMでも同様ですが、目を引くデザインやコピーで閲読率を向上させる工夫が必要です。

DMとチラシの違いはターゲットと目的

DMとチラシ、2つの紙媒体の概要をみてきましたが両者の違いはターゲットと目的です。

それぞれのターゲティングと意図によっていずれの媒体が適切かを判断する必要があるため、以下にDMとチラシはどのようなターゲットと目的が適しているのか個別に見てみましょう。

DMが適しているターゲット

DMが適しているターゲットを考える際に、DM施策の成果を出すための「5:2:2:1の法則」を念頭に入れましょう。

これは「ターゲット」「オファー」「タイミング」「クリエイティブ」の4要素の重点比率を示したもので、これらに5:2:2:1の割合を意識することで効果を発揮するというものです。

ターゲットは送付先の細かい設定、オファーは行動喚起を目的とした割引などの施策、タイミングは送付時期、クリエイティブはDM本体の作りを意味しています。

このうちターゲットが最も高い比率を占めていることから分かるように、DMでは送付先をどうするかが重要です。

特に性別や年齢、職業や居住地域といったセグメントで顧客を分類することが前提となるため、DMでのターゲットは可能な限りペルソナを絞り込んだ個人あるいは法人が適しているといえます。

DMが適している目的

次にDMは何を目的として送付するのが適しているのか、具体例を見てみましょう。

DM送付の目的商品やサービスの例
ペルソナが明確な顧客への送付・予備校 ・介護福祉施設 ・養護施設 ・託児・保育関連
口コミでの拡散・飲食店 ・理容・美容 ・宿泊施設
リピートの獲得・保険関連 ・コスメ関連 ・ネイルサロン ・スマートフォン
購入・利用前のお試し・体験の促進・健康食品関連(サプリメント試供等) ・フィットネス関連(期間限定無料キャンペーン等)

このようにDMは利用する人やジャンルが明確である場合、ピンポイントの層に的確なタイミングで訴求する目的での使用が適しています。

チラシが適しているターゲット

次にチラシの配布が適しているターゲットについて見てみましょう。

繰り返しになりますがチラシは特定の個人ではなく、不特定多数に向けた施策が前提となります。

ターゲティングの精密性という意味ではDMに譲るものの、これは連絡先を知らない多数の相手に対しても訴求できることを意味しています。

したがって送付先リストを必ずしも自前で用意する必要がなく、特定エリアや任意の新聞・機関誌などに織り込むことで一定の地域を狙って展開することができます。

こうした「面」の広がりともいえるターゲットが、チラシには適しているといえるでしょう。

チラシが適している目的

次にチラシは何を目的として配布するのが適しているのか、具体例を見てみましょう。

下記の表に各商品・サービスの特性と、それに適合する内容をまとめました。

チラシ配布の目的商品やサービスの例
・デリバリーの利用促進 ・クーポン付きチラシの配布・デリバリーのある飲食店
・新規オープンの集客 ・セールの告知  ・店舗中心のサービス
・地域の学童がいる世帯への周知 ・受験シーズンの集客・学習塾や習い事
・対面配付によるサービス周知(駅周辺など通行が多い場所など)  ・フィットネスクラブ ・美容室や理容室  

このように不特定多数に向けたチラシでも、目的を明確にすることでどういったエリアにどのようなタイミングでポスティング、あるいは配布するかという戦略が絞り込まれます。

狙った層に対してなるべく多くの人が関心を持つよう、適した目的をよく把握することがポイントです。

関連記事:チラシにQRコードを載せる効果とは?効果を上げるポイントや注意点を解説https://dmplus.jp/column/about-the-effect-of-flyer-with-qr-code/

DMやチラシの作り方

販促や広告施策のターゲット・目的が決まったらDMまたはチラシの作成にかかりますが、具体的にはどのように作るのでしょうか。

以下、自作と外注に分けてその概要を解説します。

自社で作成する

CanvaやPIXTAといったデザインツールなどを用いて、DM・チラシのデザインを自社で作ることが可能です。

データそのものは上記のツールでなくとも、例えばwordやExcelといったoffice系ソフトで作成するのも不可能ではありません。

デザイン料は社内の人件費でまかなえるメリットがある一方、作成にはスキルが必要です。

そのため十分な効果を発揮するためには専門知識が不可欠となる点にデメリットがあります。

外注する

DM・チラシの外注はデザインから制作、発送までを一貫して扱う専門会社に依頼するのがおすすめです。

デザイン料が別途かかるケースはありますが、プロが作成するため高い訴求力を期待できるでしょう。

また、単に作成するだけではなくURLやQRコードの添付で効果測定を行うなど、顧客行動のデータ収集ツールとしてのサービスもあります。

各社独自のサービスやデザイン性、費用や納期などを比較して決めることがポイントです。

読まれるDMやチラシ作りに必要な2つの要素

DMやチラシ作りに限らず、販促・広告施策では費用対効果を高めることが肝心です。

以下、そのためにDM・チラシ作りで気を付けるべき2つの要素を見てみましょう。

ターゲットに向けたキャッチコピーを目立たせる

DM・チラシではデザインのみならず文字情報も非常に重要です。

したがってターゲットに向けたキャッチコピーを十分に目立たせることが必要となります。

文字の大きさや色を含めたデザインはもちろん、言葉そのものにも工夫が必要です。

例えば美容院のコピーで、

  • 和装に合う髪型もセットします!

という文言があったとして、

  • 一生に一度の成人式、着物に合う髪型はお任せください

などとすることでよりピンポイントでの需要に訴求することができます。

このように、コピーではターゲットを絞って関心を引くことがポイントです。

関連記事:DMで惹きつけられるキャッチコピーを作る9つのポイントhttps://dmplus.jp/column/aboutpoints-to-create-an-attractive-tagline/

DMやチラシを読むメリットを明確にする

DMやチラシはそれを読むことによって顧客が得られるメリットを明確にすることも重要です。

例えば「このDM(チラシ)をご覧の方へ」として、割引クーポンを付けたり本体と引き換えに商品サンプルをプレゼントしたりといった特典付与が挙げられます。

手に取れる紙の現物という強みを生かし、読み手にとっての利益を感じさせることが肝要です。

関連記事:DMでクーポンを送ることのメリットや効果を高めるポイントを紹介!https://dmplus.jp/column/about-benefits-of-sending-dm-with-coupons/

まとめ

紙媒体であるDMとチラシの概要やメリット・デメリット、制作時の注意などを解説しました。

販売促進やマーケティング施策に有効な分析型DMを提供する「DM+」では、顧客ごとのDMに固有のQRコードを添付し、送付後のトラッキングができる「ユニークQRコード作成サービス」を展開しています。

これによりDMを受け取った後にどういった行動をとったか、あるいはそれをきっかけとして商品の購入やサービスの利用に至ったかをモニターすることも可能です。

またさまざまなデザインもご用意しており、制作に関するご相談もお受けしています。

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