ダイレクトレスポンスマーケティングとは?メリットや成功のポイントを解説

DMのお役立ちコラム

 

ダイレクトレスポンスマーケティングとは、宣伝やアプローチなどに対してレスポンスのあった顧客をターゲットにするマーケティング手法です。飛び込み営業や無作為なテレアポとは違い、自社の製品やサービスなどについてある程度興味を抱いている人を対象にします。購買意欲を引き出しやすいため、高い効果を期待することもできるでしょう。

そこで本記事では、ダイレクトレスポンスマーケティングとは何かに触れた上で、ダイレクトレスポンスマーケティングについて3つの要素やメリットとデメリット、活用されている手法、成功のポイントなどについて解説します。

ダイレクトレスポンスマーケティングとは

ダイレクトレスポンスマーケティング(Direct Response Marketing)は省略して、DRMと称されることもあります。

このマーケティング手法ではWebサイトや広告などで発信した情報に返答してきた消費者に対して、商品やサービスの魅力を伝え、販売につなげるのが一般的です。

ダイレクトレスポンスマーケティングは無作為なテレアポや飛び込み営業などと違い、事業者側からのアプローチに対して何らかの自発的なアクションを起こしてきた消費者を対象にします。そのため、購入を見込める顧客のみをターゲットにできるため、マーケティングを効率的に行えます。

ダイレクトレスポンスマーケティングの目的は、自社や自社ブランドについて情報を発信して認知度を高めることではありません。それよりも情報を受信した消費者に対するレスポンスを促すことを重視するものです。

資料請求やお問い合わせを増やしたい、常連客に販売したい商品があるといった場合には、ダイレクトレスポンスマーケティングに取り組んでみることをおすすめします。

ダイレクトレスポンスマーケティングの歴史

ダイレクトレスポンスマーケティングの発祥の地はアメリカです。広大な面積のこの国において物理的に限定されがちな小売店の商圏を拡大する手法として、通販業界などを中心に1920年代に導入されました。

それ以降、消費者の反応をキャッチコピーや宣伝文などからうまく引き出し、コンバージョンにつながるような知見が蓄積されました。その他にも、どのような特典を付与すれば消費者からレスポンスが得られるかなどについても研究されています。

そして1990年代になると、ダイレクトレスポンスマーケティングは日本でも普及し始めました。当時は中小企業の間で特に人気があり、DMの送付やテレアポをきっかけとした資料請求などの手法が多々用いられていました。最近では業界を問わず、中小企業だけではなく大企業までもがダイレクトレスポンスマーケティングを実施しています。

ダイレクトレスポンスマーケティングの3つの要素

ダイレクトレスポンスマーケティングの要素は以下の3つです。

 

    • 見込み顧客の集客

    • 見込み顧客の育成

    • 見込み顧客への販売

それぞれについて詳しく説明していきます。

見込み顧客の「集客」

まず始めに見込み顧客を集客し、見込み顧客のリストを作成することです。見込み顧客に対して価値ある情報の提供を行い、会社名や名前、メールアドレスなどの顧客情報の獲得を目指します。BtoBであれば、資料提供やセミナーの開催、クーポンの配布などの集客方法が挙げられます。

見込み顧客を集客ができなければ、次のステップに進みダイレクトレスポンスマーケティングで成果を上げることは難しいでしょう。見込み顧客が多いほど売上を伸ばせる可能性も高くなると見込まれるため、しっかりと施策を検討して集客できるようにしましょう。

ある程度の数の見込み顧客が集客できたらリストを作成します。リストは利用回数や売上高などでカテゴライズしておくと、カテゴリーに合わせたアプローチを行うことも可能です。

見込み顧客の「育成」

続いて見込み顧客の育成を行います。見込み顧客の育成とは顧客との信頼関係の構築、および顧客に対して継続的にアプローチを行うことです。顧客へのアプローチの例としてメルマガなどの有益情報の発信やSNSの投稿、DMなどが挙げられます。また顧客からの問い合わせに対して丁寧にレスポンスすることも見込み顧客の育成につながるでしょう。

見込み顧客の育成にはある程度の期間が必要です。見込み顧客はメルマガやDMを受け取ったからといってすぐに購買に至ることはあまりないでしょう。その企業に対して信頼感や安心感を抱けるようになり、さらに商品やサービスが必要になった段階で購入を決めます。

顧客に商品やサービスを購入してもらうためには継続的なアプローチを行い、自社の商品やサービスを利用したいと思ってもらえるようにすることが不可欠です。

見込み顧客への「販売」

見込み顧客は自社が提供しているサービスや商品について既に知識があり、ある程度の理解があります。

とはいえ見込み顧客に商品を販売する際は商品の魅力を単に伝えるだけではなく、顧客のニーズや好みについてしっかりと考慮しなければなりません。

例えば顧客の悩みをヒアリングし、顧客に寄り添った上で悩みを解決できる商品を提案したり、商品を勧める際は顧客がそれを使うことで得られるメリットを分かりやすく説明したりする必要があります。

販売を促進するためのその他の方法として期間限定の特典を付けたり、次回以降利用できるクーポン券を付けたりといった方法が挙げられます。

また実際に利用してみて問題があった場合は、無料で対応する旨を伝えるなどといった心遣いも必要です。

見込み顧客の立場になって販売することで信頼関係は向上し、商品やサービスの成約に成功するだけでなく、次回以降の来店や利用につなげることができます。

ダイレクトレスポンスマーケティングのメリット

ダイレクトレスポンスマーケティングの主なメリットは以下の3つです。

 

    • 低予算から始められる

    • 効果測定ができる

    • 成約率の高い見込み顧客をリストにできる

それぞれについて詳しく説明していきます。

メリット① 低予算から始められる

ダイレクトレスポンスマーケティングは新聞広告やテレビCMなどを利用するマスマーケティングと比較して、低予算から始めることができます。

ダイレクトレスポンスマーケティングではWeb広告やSNSマーケティングなど、デジタルを活用したアプローチをすることが多いです。

例えばダイレクトレスポンスマーケティングで発生するコストには以下のものがあります。

 

    • 集客用のサイトのサーバー代とドメイン代

    • メルマガ配信スタンド代

上記のコストはPR活動を行う規模などによっても異なりますが、月額数千円程度で済むことも。そのため中小企業や個人経営のお店など、多くの予算をマーケティングに充てられない企業でも導入のハードルが低いといえます。

メリット② 効果測定ができる

ダイレクトレスポンスマーケティングは効果測定を行えるため費用対効果が明確になる他、実施を行っている施策が効果的な方法であるかも正確に判断できます。

またダイレクトレスポンスマーケティングはインターネットと相性が合うため、効果測定などをすぐに行うことも可能です。

例えばダイレクトレスポンスマーケティングでは以下のものを測定できます。

 

    • メルマガの登録率

    • LPへのアクセス数

    • 商品やサービスの成約率

    • LPの修正後の効果

    •  

これらはツールを活用することで効果測定を簡単に行えます。測定結果を確認し、課題を改善して、より効果的な施策に改善していくことも可能です。

定期的に効果測定を行うことで効果のない施策を何度も繰り返してしまうことを回避できるため、短期的に成果を出しやすい他、無駄を回避することもできます。

メリット③ 成約率の高い見込み顧客をリストにできる

ダイレクトレスポンスマーケティングは成約率の高い見込み客をリスト化するため、効果的なアプローチが実現します。繰り返しになりますが、集客の時点で自社や自社の手掛ける商品やサービスに興味のある顧客のみに属性を絞れるため、成約率が高くなる傾向なのです。

ダイレクトレスポンスマーケティングを成功させるには、見込み顧客の集客などいくつかの施策が必要です。しかし成約を期待できない多くの人に対してアプローチを行うコストを削減できるなどメリットも多くあります。

ダイレクトレスポンスマーケティングのデメリット

ダイレクトレスポンスマーケティングの主なデメリットは以下の2つです。

 

    • 成約までに長期的な運用が必要

    • 認知度や企業イメージアップには向かない

それぞれについて詳しく説明していきます。

デメリット① 成約までに長期的な運用が必要

ダイレクトレスポンスマーケティングでは成約までに長期的な運用が必要です。コンテンツマーケティングやWeb広告などから自社に興味を示した顧客を集めてリスト化し、見込み顧客を育成する期間も要します。そのため今月の売上を〇%アップしたい、来月の売上をアップしたいといった短期的に成果を出す必要がある場合には不向きでしょう。

一方、ある程度の期間を費やして成約につなげていきたい商品の販売に向いています。一つの成約で大きな利益を生み出せる商品やサービスは育成期間が重要とされているためマッチする手法といえます。

デメリット② 認知度や企業のイメージアップには向かない

ダイレクトレスポンスマーケティングは認知度や企業イメージアップには不向きです。繰り返しになりますが、この手法はターゲットを自社の商品やサービスに興味のある人に絞って行うものだからです。

多くの人に向けて発信したい場合は、新聞雑誌広告やテレビCM、街頭看板、電車広告といったアプローチが向いています。

ダイレクトレスポンスマーケティングで活用される手法

ダイレクトレスポンスマーケティングで活用される主な手法は以下の5つです。

 

    • Web広告

    • ダイレクトメール(DM)

    • 電話やメール

    • SNS

    • レコメンデーション

それぞれについて詳しく説明していきます。

①Web広告

ダイレクトレスポンスマーケティングの代表例の一つがWeb広告です。

近年では多くの消費者がWebサイトを日常的に閲覧してます。また企業側も会社規模を問わず、ほとんどの企業がインターネットを利用している状況です。

Web広告とはGoogleなどの検索サイトやWebサイト内に表示できる広告です。インターネットを利用しているユーザーなら一度は目にしたことがあるでしょう。

Web広告の代表例であるリスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードと広告主が設定したキーワードがマッチした時にそのユーザーに対して表示される広告です。検索する行為は興味や関心の表れであると考えられるため、レスポンス効果は高いといわれています。

Web広告にはリスティング広告の他にも、ディスプレイ広告やアドネットワーク広告、.リターゲティング広告、記事広告、動画広告などさまざまな種類があり、どれもユーザーの興味・関心との関連性を元に表示されるものです。

②ダイレクトメール(DM)

ダイレクトメール(DM)には封書での案内やカタログ、チラシなどが含まれます。

ダイレクトメールはさまざまな層に利用できますが、特に高齢者層はインターネットを苦手とするケースが多いためおすすめです。近年、インターネットの普及率が高まっているとはいえ、ご高齢の方の中にはパソコンやスマートフォンの使い方がわからない方やデジタル機器を所有していない方も珍しくありません。そのため高齢者を対象にした商品やサービスの情報をWeb上で発信しても、ほとんど見てもらえないことも多くあります。自宅に商品に関する情報を郵送することで、ご高齢の方の目にも留まりやすくなるはずです。

またBtoBにおいて既存顧客や企業の担当者に送付するのもおすすめです。商品やサービスについて既に興味を抱いている顧客であればDMを快く受け取り、DMをきっかけに来店・来社などのアクションを起こしてもらえることも多くあります。

③電話やメール

電話やメールもダイレクトレスポンスマーケティングで頻繁に利用されている手法です。特に、電話やメールは個人の顧客よりも、BtoBでの取引において利用されている傾向にあります。

電話は直接やりとりできるため顧客に安心感を与えられる他、顧客の疑問をその場で解決することもできます。

またメールは費用もほとんどかからず、かつ顧客は自身の都合に合わせて確認できるため便利です。その他にもメールは顧客育成の段階で有益情報の提供や商品の紹介に利用できるのはもちろんのこと、常連客に特別な情報ややキャンペーン開催の案内を送る際にも利用できます。

ただし電話もメールもアプローチが頻繁になると、顧客の気分を損ねる原因にもなり得ますので注意してください。顧客によっては電話での会話内容について押し売りと感じたり、メールが疎ましく感じたりすることもあります。顧客からこうしたマイナス的イメージを抱かれると、顧客離れの原因にもなるので気を付けましょう。

④SNS

SNSにはTwitterやFacebook、Instagramなどが含まれます。近年、多くの企業が何らかのSNSを運用し、顧客に最新情報や商品の詳細情報を届けています。

SNSはリアルタイムで顧客に情報を届けられるだけでなく、コメント欄を活用すれば相互にコミュニケーションを取ることも可能です。例えばアパレルブランドの中にはおすすめの洋服をInstagramに投稿し、生地やカラーなどといった質問にコメント欄で応じている企業もあります。

またSNSには見込み顧客をファン化させる要素もあります。ブランドについて担当者とのやり取りの中で親近感を抱く顧客、SNS上で演出されているブランドの世界観に惹かれる顧客、ショップスタッフのセンスに憧れる顧客なども少なくありません。

ただしSNSを活用する際は投稿内容をしっかりと確認し、炎上しないように注意してください。安易な気持ちや不注意で行った投稿が企業イメージを大きく下げることにもなりかねないので気を付けましょう。

⑤レコメンデーション

レコメンデーションとはWebサイト上で顧客の興味や好みなどの分析を行い、それに合わせた商品や情報を提示することです。 商品の閲覧や購入後に画面上に表示されるあなたへのおすすめ商品などがレコメンデーションになります。

顧客が過去に購入したものや顧客の検索履歴などを考慮し、各顧客のニーズや好みなどに合った商品情報を表示するため高いクリック率を期待できるのです。

また顧客の興味のある商品情報を電話やメールなどを利用せず届けられるため、顧客から疎ましいと感じられたり、セールスっぽさを感じられたりすることもあまりありません。

レコメンデーションはECサイトの他にも、求人サイトやWebメディアなどでも活用できるので取り入れてみてください。

ダイレクトレスポンスマーケティングが向いている商材

これまで述べてきたようにダイレクトレスポンスマーケティングは反応があった顧客に対してアプローチを行う手法です。

ダイレクトレスポンスマーケティングの対になるマーケティング手法として、マスマーケティングが挙げられます。マスマーケティングはテレビCMや新聞広告といった大々的な広告を打つことも多く、アプローチの対象とするのは見込み顧客に限りません。

これらの特徴を踏まえると、ダイレクトレスポンスマーケティングに向いている商材の特徴として以下のものが挙げられます。

 

    • 少ないコストでアプローチしたい商品

    • 中小企業が手掛ける商品

    • 高単価商品

    • トレンドになる前の商品

    • 自社限定で販売している商品

前述のようにダイレクトレスポンスマーケティングは少ないコストで顧客にアプローチできるため、マス広告を打ち出す余裕がない企業においても導入可能です。

また顧客にとって馴染みのない商品やすぐに購入に踏み出せないような高単価な商品であっても、顧客との信頼関係を構築し、商品の魅力に少しずつ気付いてもらうことで購入につなげることができます。

ダイレクトレスポンスマーケティングの成功ポイント

ダイレクトレスポンスマーケティングの成功ポイントは以下の4つです。

 

    • 見込みが高い顧客リストを作る

    • 見込み顧客を教育し、信頼関係を作る

    • 販売はキャンペーンなどで後押し

    • PDCAを回す

それぞれについて詳しく説明していきます。

見込みが高い顧客リストを作る

ダイレクトレスポンスマーケティングを実施する際は見込みが高い顧客リストの作成から行います。問い合わせや資料請求、サンプル請求、メルマガ登録などを過去に行ったことのある顧客の他、自社の商品やサービスを購入したことのある顧客も見込みが高い顧客のリストに入れておきましょう。

見込み顧客はWebを活用して集客することが近年ではメジャーであるものの、高齢者を対象とした商品やサービスの場合はWeb以外の方法でも集客することをおすすめします。

また費用や人的リソースを費やせるのであれば、サンプル提供の案内やメルマガ登録の案内などについてリスティング広告やSNS広告などで配信すると効果的です。

見込み顧客を教育し、信頼関係を作る

見込み顧客に商品を宣伝するだけでは思うような結果を出すことは難しいでしょう。見込み顧客には自社や自社ブランドの特徴、および魅力などに気付いてもらい、その上で商品の紹介を行うと効果的です。

また業界に関するコンテンツや商品に関連するテーマの有益情報などは、見込み顧客の関心を惹くのに効果があります。これらの情報提供は数回行うくらいでは効果はあまり期待できません。長い時間をかけて継続的に行う必要があります。

例えば化粧水を販売したい場合、顧客リストの顧客に化粧水の案内を送り続けるだけでは購入してもらえる可能性は低いでしょう。ニキビ予防や美白ケアのコツ、美肌効果の高い食材、あるいは自社製品の特徴や製造過程などについてメルマガで配信するなどの工夫が必要です。顧客はメルマガを購読することでその企業を身近に感じられる他、企業に対する理解も深まって購入してみようという気になります。

販売はキャンペーンなどで後押し

見込み顧客の中には商品やサービスが気になっていても、購入に踏み切れない方もいます。購入したいけれど値段が高い、もう少し経ってから購入してみようなど、すぐに購入しない理由はさまざまです。

このように購入に踏み切れない見込み顧客を後押しする方法として、キャンペーンの開催が挙げられます。例えば月間セールや先着順のセール、バースデーセールなどがあります。すぐに行動しなければ損をする状況を提供することで、顧客の購入意欲は高まるでしょう。

PDCAを回す

PDCAとは各種マーケティングにおいてよく利用されている手法です。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返すことで、施策を継続的に改善していきます。

ダイレクトレスポンスマーケティングは短期的に成果を出すことを目指すというよりも、長期的な運用を行って成果を出すことを目指す手法です。そのためPDCAを回して問題点を洗い出し、次の施策に活かすことでより効果的なアプローチを行えるようになります。同じ内容のDMやキャンペーンを繰り返すより、効果の評価に基づき改善していくことで精度の高いマーケティングが可能になるのです。

まとめ

今回はダイレクトレスポンスマーケティングについて解説してきました。

ダイレクトレスポンスマーケティングで成功するためには顧客にアプローチするだけでなく、効果測定を行うことも忘れてはいけません。

DMであればそれを受け取った顧客がどのようなアクションを起こしたのか可視化し、分析することでDMの効果や課題を把握できます。

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