QRコードとは、自社のWebサイトへ誘導したり、メールアドレスの登録を促したりするのに効果的です。また、チラシのような紙媒体の広告にQRコードを載せることで、さまざまなメリットがあります。
今回はチラシにQRコードを載せる効果や、反響率を上げるためのポイント、QRコード作成時の注意点などを解説するので、ぜひ参考にしてください。
QRコードって何?
QRコードとは、スマートフォンやアプリなどでかざすと情報を読み取れる情報コードです。縦と横の両方でデータを表現しており、一般的なバーコードの約200倍のデータ量を扱えます。
QRコードは、自社のWebサイトへのURLや申し込みフォーム、SNSアカウント、キャッシュレス決済の支払コードなど、実にさまざまな場面で利用されています。
特にチラシやポスターに印刷されているケースが多く、興味を持ったユーザーがスマートフォンをかざすことで、すぐに情報を得られるようになっているのが特徴です。
QRコードからのアクセス率は?

QRコードはさまざまなシーンで使用されていますが、実際どれくらいのユーザーがQRコードを読み込んでコンテンツにアクセスしているのでしょうか。
一般社団法人日本ダイレクトメール協会が実施した「DMメディア実態調査2023」では、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬)在住の20代から50代の男女200人に対して、毎日日記式で受け取ったDMの全件モニターを実施。個別のDMごとに、誰が受け取り、どの程度開封・閲読したのか、その後にどのような行動を取ったのかを調査しました。
そのうち、QRコードや検索窓、キーワード表示など、Webメディアへのアクセスに誘導するようなダイレクトメールを受け取ったと答えた割合は64.0%(128通)、その後にWebサイトにアクセスした割合が44.0%(88通)という結果になりました。
また、対象のダイレクトメールにおいて、Webサイトへの誘導に利用されていた手法は次の通りです(複数回答可)。
- QRコード:78.1%(100通)
- 検索窓、キーワード表示など:43.8%(56通)
- ARマーカー:4.7%(6通)
- その他:6.3%(8通)
そして、上記のダイレクトメールを受け取り、実際にWebサイトにアクセスしたことがあると回答した人の割合は次の通りです(複数回答可)。
- QRコード:71.6%(63通)
- 検索窓、キーワード表示など:38.6%(34通)
- ARマーカー:3.4%(3通)
- その他:4.5%(4通)
これらの結果から、Webサイトへ誘導するDMのうち、QRコードを活用したDMの数が約8割を占めていること、受け取ったQRコード付きDMのうち、約7割がWebサイトへのアクセスにつながっていることが分かります。
詳しくは後述しますが、QRコードは比較的簡単に作成できる上、DMに活用した場合はWebサイトに誘導する訴求力が高いため、マーケティングに活用しやすいツールといえるでしょう。
出典: 一般社団法人日本ダイレクトメール協会.「DMメディア実態調査2023 調査報告書要約版」.https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2024-000027.pdf (参照 2024年11月1日).
チラシにQRコードを載せるメリット
自社の商品やサービスについて記載したチラシを配布するのであれば、QRコードを載せるのがおすすめです。ここではチラシにQRコードを載せるメリットを解説します。
- レスポンス率が上がる
- より多くの情報を提供できる
- オンライン集客につながる
- 効果を測定しやすい
レスポンス率が上がる
チラシにQRコードを載せることで、レスポンス率がアップするメリットがあります。
QRコードが記載されていれば、スマートフォンでかざして読み取るだけで情報にアクセスできるためです。
チラシを見た顧客の一定数は、興味があっても来店で電話での問い合わせを面倒に感じる可能性があります。
QRコードならカメラ機能を使うだけなので、行動のハードルを下げることができるわけです。
また、QRコードを大きくしたり、複数配置したりすれば、チラシのレスポンス率がさらにアップすることが分かっています。
反響の大きなチラシ広告にするために、QRコードは欠かせない手段の1つといえます。
より多くの情報を提供できる
商品やサービスに関する情報をたくさん提供できるのも、チラシにQRコードを記載するメリットです。
チラシだけでは掲載できる情報に限界があります。また、情報を盛り込もうとして文字を小さくしたり、文字数を増やしたりすれば、顧客がチラシを読まなくなることも考えられます。
QRコードを記載して、顧客にWebサイトやLPなどにアクセスしてもらえば、より多くの情報を提供できるでしょう。また、紹介したいものとは別のサービス・商品に興味を持ってもらえる可能性もあります。
QRコードを活用するだけで、伝えられる情報量を格段に増やすことが可能です。
オンライン集客につながる
オンライン集客につながる可能性があるのも、チラシにQRコードを記載するメリットの1つです。
WebサイトやSNSアカウントを使って企業やサービス、商品を知ってもらうためには、インターネット広告の施策やSEO対策などを講じてアクセス数を増やす必要があります。時間や費用が掛かる他、アクセス数が増えるかどうかは実際にやってみないと分かりません。
一方、チラシにQRコードを記載しておき、顧客が興味を持ちさえすれば、WebサイトやSNSへのアクセスはその場で実行されます。
そのため、QRコードはオンラインでの集客につながりやすいのです。
さらに、ある程度興味を持った顧客がアクセスするため、サービス・商品を購入へつながりやすいのも魅力でしょう。
効果を測定しやすい
広告の効果を測定しやすいのも、QRコードをチラシに記載するメリットです。
例えば、チラシを配布する地域ごとに異なるQRコードを記載しておけば、どの地域からのアクセスが多いのかを判断しやすくなります。
また、チラシを配布した顧客の情報や内容、クーポンの利用率などのデータを残すこともできるため、ABテストなどで効果の測定が簡単にできます。
効果測定がしやすければ、広告内容の分析や検証を効率的に行えるため、より効果の高い広告を打てるようになるでしょう。
チラシにQRコードを載せる際のポイント
チラシにQRコードを載せる場合には、次の3つのポイントを意識するのが大切です。
- 目に留まりやすいデザインにする
- キャッチコピーで誘導する
- 両面印刷のチラシなら表裏に入れる
目に留まりやすいデザインにする
QRコードをチラシに載せる場合は、目に留まりやすいデザインにしましょう。
QRコードの場所が分からなければ、チラシを読んでもらえても、Webサイトへのアクセスなどのレスポンスが起こりにくくなるためです。
そのため、QRコードの場所が一目で分かるようなデザインを考えることが大切です。
なお、他のチラシに紛れてしまうケースもあるため、チラシ自体のデザインも目立たせるようにしましょう。
キャッチコピーで誘導する
QRコードをチラシに載せる際は、キャッチコピーでの誘導を試みましょう。
ターゲットの興味を引くキャッチコピーを作成すれば、レスポンス率アップが期待できるためです。
チラシを受け取った顧客がQRコード経由でWebサイトにアクセスした場合、どのようなメリットがあるのか考え、それに見合ったキャッチコピーを作りましょう。
例えば、SNSアカウントのフォローが目的であれば「Instagramのフォローで割引クーポンプレゼント」、キャンペーンにLPページにアクセスしてもらいたい場合は「今だけもらえる無料コンテンツ」などです。
デザインとキャッチコピーにこだわって、顧客にアピールしていきましょう。
両面印刷のチラシなら表裏に入れる
両面印刷のチラシを配布するなら、QRコードは両面に入れましょう。
その方が、QRコードが顧客の目に留まりやすくなるためです。
表面・裏面のどちらからでもQRコードを読み取れるようにすれば、レスポンス率のアップも期待できます。
チラシにQRコードを載せる際の注意点

チラシにQRコードを載せる際は、次の5つのポイントに注意しましょう。
- QRコードの大きさは約1.5cm以上が目安
- QRコードの色が周りの余白にも注意
- 複数ページへの誘導は1つのQRコードでまとめる
- 作成したQRコードは読み込みチェックを
- 「QRコード」は商標であることに注意
QRコードの大きさは約1.5cm以上が目安
チラシに記載するQRコードは、1.5cm以上の大きさを目安にします。
QRコードが1.5cm四方を下回る場合は、カメラのピントが合わないため、スマートフォンやアプリで読み取れない場合があります。
一方、QRコードを大きくし過ぎた場合、印刷時にコードがつぶれたり、読み取る機材側の能力を超えてしまったりすることがあり、こちらも注意が必要です。
一辺が1.5cmから2.0cm程度のQRコードが、記載しやすく読み取りやすいことを把握しておきましょう。
QRコードの色や周りの余白にも注意
QRコードをチラシに記載する際は、QRコードのカラーに注意が必要です。
QRコードには色の規制などはないため、さまざまな色で記載しても問題ありません。しかし、コードは色の濃淡で読み取るため、薄い色ではQRコードが機能しなくなる可能性があります。
読み取りやすさを考えれば白黒にしておくのが無難でしょう。
また、QRコードの周りには白縁を付けて余白を設けるのが鉄則です。余白がない場合もQRコードが読み取りにくくなってしまうため、トリミングしないようにしましょう。
また、複数のQRコードを並べる場合も、適度な距離を空ける必要があります。QRコード同士の距離が近いと、読み取りたいコードではない別のコードが読み込まれるケースがあるためです。
QRコード1個分くらいの余裕を持たせて、スペースに配慮したデザインを心がけましょう。
複数ページへの誘導は1つのQRコードでまとめる
QRコードから複数ページに誘導したい場合でも、QRコードを1つにまとめてください。
このような場合は、複数のURLを1つのQRコードにまとめるサービスがあるため、利用を検討してみるといいでしょう。
作成したQRコードは読み込みチェックを
QRコードを作成したら、スマートフォンで読み込めるかチェックしましょう。
エラーに気付きやすい他、そのままチラシに印刷してしまう事態を避けられるためです。
特にQRコードそのものやセルが歪んでいる場合や、QRコードの周りに4セル以上の余白がない場合は、エラーが発生しやすくなります。
読み取りテストを行い、エラーが出る場合は改善してください。
また、紙のタイプによってエラーが出る場合があります。特に、チラシの厚みが薄いとQRコードが裏写りして読み取りづらくなることがあります。90㎏クラス(0.1mm程度の厚み)以上の紙を使って裏写りを防ぎましょう。
さらに、光沢の強い紙でチラシを作ると、光を反射してQRコードが読めない場合があるため、艶の少ない紙を選ぶことも大切です。
「QRコード」は商標であることに注意
QRコードは株式会社デンソーウェーブによって開発された仕組みで、商標登録されています。QRコード以外にも、以下の名称を商用使用する場合は、事前にデンソーウェーブに相談しなければなりません。
- iQRコード
- SQRC
- フレームQR
また、商用利用しない場合でもWebサイトで使用する場合は、登録商標文の記載が必要です。ただし、QRコードの画像のみを使う場合は記載不要です。
登録商標文の記載や商用利用の相談を避けたい場合は、「申し込みはこちら」「詳細はこちら」などと表記しましょう。
QRコードは簡単に作成できる
QRコードは、実は誰でも簡単に作成が可能です。
Microsoft社のExcelでも作成できる他、QRコードを無料で作成するサイトも公開されています。
無料作成できるサイトには「QRのススメ(https://qr.quel.jp/)」や「クルクルマネージャー(https://m.qrqrq.com/)」といったものがあります。
ただし、作成したQRコードが商用利用可能かどうか、確認してから作成するようにしてください。
ここでは、QRのススメを利用したQRコードの作り方を解説します。
- アクセスしてほしいURLを入力して[OK]ボタンをクリックする
- QRコードのサイズや色を選択して[ダウンロードする]ボタンをクリックする
これだけでQRコードを作成できます。
QRのススメで作成したQRコードは無制限で商用利用できる他、メールの起動や地図の埋め込みなどを組み込むことも可能です。
チラシのQRコードからのアクセス計測・効果検証をする方法
チラシに記載したQRコードから、どれくらいのアクセスと効果があったのか検証する方法を解説します。具体的な方法は次の通りです。
- Google Analyticsを使う
- クルクルマネージャーを使う
- バリアブル印刷を使う
それぞれ詳しく解説します。
Google Analyticsを使う
QRコードの効果を測定する方法の一つに、Google Analytics(グーグル・アナリティクス)を使用する方法があります。
Google Analyticsとは、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。Webサイトやアプリのユーザーデータを収集・分析でき、リアルタイムでの利用状況やユーザーの基本属性、サイト内でのユーザーの動きなどを把握できます。
QRコードの効果を測定したい場合は、キャンペーンコードと呼ばれる計測用パラメータを特定のURLに付与することで、各コードがどのようなユーザーからどの程度読み込まれたのかを解析できます。
QRコードからアクセスしたユーザーのリピート率や、サービス申し込みまで至った確率(CVR)も分析できるため、QRコードの効果測定が必要な場合は知っておきたい方法です。
ただし、Google Analyticsはサイトと紐づけるための設定が必要です。設定を行うための参照権限が付与されない場合は、他の方法を利用しましょう。
クルクルマネージャーを使う
QRコードを記載したチラシの効果を測定したい場合は、クルクルマネージャーというツールを利用する方法もあります。
クルクルマネージャーとは、QRコードを無料で作成できるツールで、簡単なアクセス解析機能が搭載されています。
クルクルマネージャーアプリを通じてQRコードをスマートフォンなどで読み取れば、テストを実施でき、実際にどれくらいのアクセスがあったのかを確認可能です。
Google Analyticsとの違いは、サイトと紐づけるための設定が必要ないことです。そのため、簡単にアクセス解析ができます。
なお、サービスにログインしなくてもアクセス解析を利用できますが、ブラウザのcookieが消滅すると情報が消えてしまいます。継続的に解析したいのであれば、アカウントを作成した上で、ログインして利用するのがおすすめです。
バリアブル印刷を使う
QRコードを記載したチラシの効果を測定したい場合、バリアブル印刷を使用する方法もあります。
バリアブル印刷とは可変印刷とも呼ばれる印刷手法で、一枚ずつ情報を変えた印刷物を作成する仕組みのことです。
バリアブル印刷を活用することで、チラシの配布場所や配布した個人ごとの実績など、粒度の細かい効果測定が可能です。
最近では、Webシステムとアプリを合わせて使い、手間をかけずに個別のQRコードを印刷して配布するケースが増加しています。
ただし、バリアブル印刷に対応可能な印刷会社は少ないのが実状です。QRコードの細かい測定効果を検証したい場合は、チラシを作成する際に、バリアブル印刷に対応できる発注先を探す必要があるでしょう。
チラシにQRコードを載せる際によくある質問
最後にチラシにQRコードを掲載する際によくある質問に回答します。具体的な質問の内容は次の通りです。
- QRコードを載せる許可は必要?
- QRコードはいつまで有効?
- DMにQRコードを載せるときの解像度は?
それぞれ詳しく解説します。
QRコードを載せる許可は必要?
QRコードをチラシに載せたい場合でも、特に許可や申請は必要ありません。QRコードはJIS規格とISO規格が定められているため、それに従って使用するのであれば、基本的に自由に使用できます。
またQRコードには、使用する際のライセンスが必要ないため、誰でも自由に使用できる他、使用料金が請求されることもありません。
ただし、QRコードは株式会社デンソーウェーブが商標登録しているため、QRコードという名称を商用目的で使用する場合は、事前にデンソーウェーブまで問い合わせ、対応について指示を受ける必要があります。
なお、商用利用ではない場合でも、QRコードという名称を使う場合は、東特商標分を掲載しなければなりません。チラシであればデザインに影響しないエリアに表記すれば大丈夫です。また、Webページの場合は、いずれかにページに登録商標分を表記しましょう。
QRコードはいつまで有効?
QRコードには使用期限や有効期限は設けられていません。そのため、一度作成すれば、アクセス先のページやコンテンツが削除されない限りは、いつまでも使用できます。
そのため、期間限定のキャンペーンやサービスなどでQRコードを使用したい場合は、キャンペーン終了時にWebサイトを非公開にするといった対応を取る必要があります。
例えば、イベントの告知でQRコードを使用したマーケティングを行う場合、イベントの進捗状況などを周知する際は、アクセス先のWebページで対応しなければなりません。
イベント前にアクセスした場合は「もうすぐOPEN」とWebページに記載し、イベントが終了した後は「終了しました」と記載したWebページに変更する必要があります。
他にも、有効期限がある短縮URLを使って期間限定のイベントなどに対応する方法もあります。現在では、期間限定の短縮URLを作成できるサイトがいくつかありますので、利用してみるといいでしょう。
チラシにQRコードを載せるときの解像度は?
チラシなどの印刷物にQRコードを記載する場合、作成するQRコード画像の解像度に注意が必要です。
PNG形式やJPEG形式といった画像形式でQRコードを作成した場合、カラーモードはRGB、解像度は72dpiという状態で出来上がりますが、この状態は印刷に適していません。仮に印刷したとしても、仕上がりが粗く、スマートフォンなどで読み取れない恐れがあります。
印刷物に画像を載せたい場合、カラーモードはCMYK、解像度は300dpi~350dpiの画像を作成しましょう。
また、QRコード画像を作成する際は、Illustrator(AI形式)やPhotoshop(PSD形式)で作成するのがおすすめです。
印刷会社に入稿する際、これら形式であれば作成した画像ファイルをそのまま使用できるためです。
まとめ
今回はチラシにQRコードを載せる効果や、反響率を上げるためのポイント、注意点などを解説しました。
チラシとQRコードを組み合わせれば、伝えられる情報が格段に増え、Webサイトへのアクセスも期待できます。
ポイントを押さえて作成すれば、反響のある広告を作成できるでしょう。
また、チラシよりもターゲットを明確にした紙媒体のDMマーケティングを考えられている場合は、「DM+」がおすすめです。
「DM+」なら顧客ごとに固有のQRコードを添付したDMの作成が可能で、DMを受け取った後の反響や行動の測定が可能です。

測定結果はABテストやPDCAの改善に役立てられ、より効果的なDMマーケティングを悉皆サポートします。
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