電話やメールなどを用いた非対面での営業を行う「インサイドセールス」。幅広くアプローチをかけ、リード顧客として育成しつつアポイントを獲得し、対面営業のフィールドセールスへとつなげる役割を担います。
そんなインサイドセールスですが、実際にはどの程度の確率でアポイントを取れるかご存じでしょうか。インサイドセールスによってアプローチしても、なかなかアポイントにつながらず、どの程度取れれば良いか悩んでいる方も多いはずです。
本記事ではインサイドセールスにおけるアポ獲得率の目安や、アポ獲得率を上げる9つのコツについて解説します。インサイドセールスのアポ獲得率を上げるには、闇雲にアプローチ数をこなすのは効率的ではありません。コツを押さえて効率よく実施しましょう。
インサイドセールスのアポ獲得率とは
インサイドセールスのアポ獲得率は「アポ獲得数÷アプローチ数×100」の計算式で求めることができます。
例えば獲得したアポイントが10件でそのための総アプローチ数が100件だったとすると、アポ獲得率は10%です。
同様に、アポを100件取るのにアプローチした数が2000件なら、アポ獲得率は5%となります。
通常営業での成約率と算出方法の基本的な考え方は変わりませんが、インサイドセールスに絞った数値を求める場合には、他の営業手法による成果と混同しないことが重要です。
【ケース別】インサイドセールスのアポ獲得率はどのくらい?
ではインサイドセールスによる実際のアポ獲得率は、いったいどのくらいでしょうか。
業種や業態、各企業の事業規模によって変動する要素はありますが、ここでは一般論としての目安を見ておきましょう。
アプローチのケース別に、以下4例を挙げて紹介します。
業者から購入したリストに電話する場合
業者からアプローチ先のリストを購入し、電話でインサイドセールスを実施した場合のアポ獲得率は、平均して0.3~0.7%程度とされています。
100件にアプローチして3~7件のアポイントを取れるのが目安で、厳しい数字といってよいでしょう。
これは購入リストに掲載されている対象が、必ずしも売り手側の商品・サービスに関心があるとは限らないためで、その点ではフィールドセールスの飛び込み営業と似ています。
従って当該リストのアプローチ先は、まだリードとして育成されていない状態のため、直接アポイントにつながる確率は低くなるのが自然です。
メールに反応があった顧客に電話する場合
こちらから送ったメールに対して反応があった顧客に電話する場合のアポ獲得率は、おおむね5%程度とされています。
メール送信というアプローチをかけたことに対して反応があったかどうかを示す数値で、顧客はこの時点で一定の興味・関心があると想定できます。
もちろんどのような内容でアプローチをかけたかによって顧客の行動は変動するため、場合によってはさらに高いアポ獲得率を期待できるケースもあるでしょう。
シンプルに購入リストの情報に従って電話をかけるよりも、10倍前後ものアポ獲得率となることを示しています。
イベントやセミナーで名刺を獲得した顧客に電話する場合
イベントやセミナーで名刺を獲得した顧客に電話する場合のアポ獲得率は、おおよそ10%程度とされています。
ここで紹介している4つのアプローチの中では最も高い獲得率となっています。
名刺を獲得しているということは、インサイドセールス以前に直接対面でのコンタクトを果たしていることを意味し、相手にとっては売り手企業に面識がある状態です。
そのため電話によるアプローチでも飛び込み営業のアプローチとは異なり、担当者につないでもらえる可能性は高くなります。
FAXやメールでアプローチした場合
ターゲットにFAXやメールでアプローチした場合のアポ獲得率は、2~5%程度とされています。
これは飛び込み営業を除いては、前述の名刺を獲得した顧客に対する電話アプローチでの獲得率には及ばない数値です。やはり電話は相手と直接話せる部分でのメリットが大きいと見受けられます。
今やFAXは通信手段としては古風なイメージがありますが、直接紙に印字された情報を送れるメリットがあるため、現在も使用されることが少なくありません。
また、FAXやメールは手軽に送信することができ、時間をかけずに広くアプローチすることができる点にも強みがあります。
その他多くの連絡事項に紛れ込んでしまう懸念もあるため、FAXのデザインや文字のフォント、メールのタイトルなどアイキャッチになるものは、目にとまりやすい工夫をすることが必要です。
アポ獲得率を上げる9つのコツ
インサイドセールスでアプローチをかけるといっても、漫然と自社の商品・サービスを訴求するだけでは十分な成果にはつながりません。
アポイントを獲得する可能性を高める9つのコツを以下に解説していきます。
1.ターゲットに対する提供価値を明確にしておく
インサイドセールスでアプローチをかける際には、ターゲットに対する提供価値を明確にしておくことが大切です。
ターゲットとは顧客になってくれる可能性のあるアプローチ対象のこと。ターゲットに対して自社の商品やサービスを購入・利用することでどのようなメリットがあるのかを訴求します。
単に広く宣伝を行うだけではなかなか購買行動につながりにくいため、ターゲットにとっての便益となる価値を提供できることをアピールするのが有効です。
2.即レス対応をする
「即レス」とはメールなどで相手から連絡をもらったときに、すぐに返事や返信することを意味しています。インサイドセールスにおいても迅速な返信・コールバックは、好印象を持たれるための重要なポイントです。
顧客の側から一定の興味関心を持ってコンタクトしてきた場合に、いち早く反応することで安心感と信頼感を抱いてもらいやすくなります。
またせっかくのチャンスを逃さないという意味もあり、コンタクトの方法がメールでも電話でも、レスポンスが早ければ早いほどそのままアポイントまでのやり取りを行える可能性が高まります。
3.優先順位をつけて対応する
顧客候補となるターゲットへの対応には、優先順位をつけることもポイントです。
ここでいう優先順位とは商談が成立する可能性が高い層であるか、有力な見込み顧客として育成するにはどの程度の時間がかかりそうなのかを見極めた上でターゲティングすることを意味しています。
アプローチする優先順位のつけ方としてはターゲットを業界・業種、事業規模などの属性に分類し、商談化できる確率が高いと見込まれる順に対応するとよいでしょう。
4.タイミングを見計らい電話をかける
電話は直接相手と話すことができるため、インサイドセールスでは有効なツールです。
しかし電話をかけるタイミングが重要で、適切な時間帯を見計らうのがポイントとなります。
例えば企業宛てであれば始業直後は朝礼等、おおむね12時~13時は昼休憩等で電話応対が難しいことが予想されるでしょう。
また個人宛てでも平日日中は就業していたり、夕方以降には食事の支度で手が離せなかったりといった状況が考えられます。
相手が不在の時間や忙しい時間にかけても、断られる可能性が高くなり、再度荷電する手間も増えるため効率的とは言えません。相手の属性などから行動パターンを想像してタイミングを見計らいましょう。
5.簡潔明瞭にメリットを伝える
インサイドセールスでアポ獲得率を上げるためには相手にメリットを伝える必要がありますが、できるだけ簡潔明瞭に説明することがポイントです。
相手にとって便益となる情報を盛り込むことは重要ですが、説明が長くなると必ずしも最後まで聞いてくれたり、文面を読んでくれたりするとは限りません。
結論を先に伝える話法を上手に取り入れるなどトークスキルを磨き、端的かつはっきりと相手にとってのメリットを訴求しましょう。
6.セールス感を出さない
インサイドセールスは営業手法の一つですが、アポ獲得率を高めるためにはセールス感を前面に押し出さないことがポイントです。
仮に自社の商品・サービスに興味を持ってくれたターゲットであったとしても、押し売りのように感じると拒否感を抱く心理が働きやすくなります。
従って「今買わなくては損」「絶対にお買い得」など購買行動を無理強いするかのような案内は逆効果です。
<h3>7.落ち着いたトーンで話すことを意識する</h3>
電話でアプローチする際は、落ち着いたトーンで話すように意識しましょう。
よく「明るくはきはきと」応対するのが望ましいといわれますが、度が過ぎると不自然なセールストークという印象を相手に与えてしまいかねません。
はっきりと発生しつつも落ち着いたトーンで応対することで、誠実さや信頼感といった好印象を抱いてもらいやすくなります。
8.アクティブリスニングで相手の話を引き出す
電話営業のテクニックの一つにアクティブリスニングという手法があり、相手の話を引き出すのに有効な方法です。
アクティブリスニングとはその名のとおり「積極的な聞き取り」のことで、黙って相手の話に耳を傾けるのではなく、さらにさまざまな情報を引き出すためのヒアリング技術を指します。
例えば共感や賛同の意が伝わるように変化をつけた相槌を打ったり、相手の本音に迫る質問を挟んだりといったことが挙げられます。
インサイドセールスは次のフィールドセールスにつなげる役割もあるため、直接会話で得たターゲットの情報は非常に貴重です。
9.ツールやシステムを活用する
インサイドセールスではアプローチ先の選定や情報管理など、手間と時間を要する業務に追われることが少なくありません。
そこで専用の営業支援ツールやシステムを活用し、省力化することも有効な手段の一つです。
ツール・システムによって可能な作業はそちらに任せ、マンパワーをターゲットへのアプローチやコミュニケーションに傾注することで、業務効率のアップが期待されます。
まとめ
インサイドセールスにおける各アプローチ状況でのアポ獲得率の目安、またアポ獲得率をアップさせるための9つのコツを紹介しました。
今回紹介した以外にも、非対面によるアプローチの手段として、高い開封率が期待できる紙のDM(ダイレクトメール)があります。
販売促進やマーケティング施策に有効な分析型DM(ダイレクトメール)を提供するDM+では、顧客ごとのDMに固有のQRコードを添付し、送付後のトラッキングができる「ユニークQRコード作成サービス」を展開しています。
これによりDMを受け取った後にどういった行動をとったか、あるいはそれをきっかけとして商品の購入やサービスの利用に至ったかをモニターすることも可能です。
インサイドセールスにおいても効果を発揮することが期待される、紙DMを利用した販促・マーケティング施策にぜひご活用ください。