DM送付後のテレアポで獲得率UP!効果的なトーク術を解説
DM(ダイレクトメール)は、一度に多くの企業にアプローチできるBtoBの営業手段です。一般的な電子メールの開封率が2割(※1)と言われる中、DMメディア調査2021DMの開封率は約7割(※2)と言われており、顧客に効果的な訴求ができます。しかし、「DMの効果がいまいちわからない」「申込数が増えない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
一般的に、DM送付後は後追いで電話営業(テレアポ)をする手法があります。突然テレアポを行うより、DMを送付してからテレアポをしたほうが、相乗効果を見込むことができるためです。今回は、DMとテレアポを組み合わせるメリット・デメリットを紹介した上で、テレアポのコツや注意点について解説していきます。DMの効果を高めたい担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
(※1)業種別・地域別(国別)平均メール開封率レポート【2022年版】
DMの開封率は70%以上!新規顧客獲得・リピート率アップに効果的
DMとはダイレクトメールの略語です。個人宛に送られる宣伝物であれば、紙媒体・電子メールどちらも指しますが、今回は紙媒体のダイレクトメールを「DM」、電子メールはそのまま電子メールと呼称します。
DMの魅力は高い開封率です。一般社団法人日本ダイレクトメール協会が公表した「DMメディア実態調査2021」では、DMの開封率は79.5%。つまり、約8割の人がDMを読んでいるということになります。
一方、「受取意向」を見てみると、取引関係のある差出人からのDMは74.0%が「受け取りたい・受け取ってもいい」と解答したのに対して、取引関係がない差出人からのDMの場合はわずか19.0%と激減します。
この数値はあくまで「意向」で、開封率と必ずしも関係するわけではありません。しかし、新規顧客獲得のためにDMを用いるなら、読んでもらうための工夫が必要になるでしょう。
DM送付後に後追いでテレアポするメリットは?
DM送付後のテレアポは、DM・テレアポ両方の効果を高めることができます。まずは、3つのメリットを理解しておきましょう。
DMが読まれる確率が上がる
DMのゴールをコンバージョン(顧客の獲得)だとした場合、最初の障壁となるのが、DMを読んでもらえるかどうかです。
後追いでテレアポをすることで、DMを読んでもらうよう促したり、仮に捨てられてしまっていても、再度送付したりすることができます。一度読んで興味がないと思った相手に対しても、テレアポで改めて商材・サービスを訴求することで、興味を持ってもらえるかもしれません。
また、「興味はあるけど、DMだけだといまいち分からない」「忙しいから後回しにしておこう」と考えている潜在的な顧客を獲得することにも繫がります。読まれる確率を上げられるだけでなく、読んでくれた見込み客に追加で訴求することが可能です。
多数の企業にDMを一気に送付せず、送付するターゲットを絞ってからDMを送るパターンもあります。
より確度の高い企業にDMを送付する前提のパターンです。
この場合は、いきなりDMを送るのではなく、DMを送る前と送った後に電話をかけるのがおすすめです。送る前の電話では、「DMを送ることの許可」を取り、送ったあとの電話では、「読んでもらったか確認」をしましょう。
より効果的なテレアポができる
DMを送付してから後追いでテレアポをすることで、テレアポの効果を高めることができます。BizHintの調査では、「営業電話をきっかけに商談を受けるかどうか」という問いに対して、「もともと興味のあったサービスであれば、商談を受けたい」と回答した人は43.5%。つまり、事前に興味を持ってもらうことが非常に重要です。
先述したようにDMの開封率は約7割と高いので、テレアポをする前に興味を持ってもらうための手法として有効と言えるでしょう。
また、テレアポをする際に相手先の手元にまだDMがあった場合は、DMを手元の資料として使うことができます。一から詳しくサービスを説明する必要がないだけでなく、視覚的に訴求ができるので、より効果的に、簡潔に営業電話をすることができます。
DMの効果的な作成方法も別のコラムにて紹介させていただいてますので、ぜひご活用頂ければと思います。
出典:電話営業の「内容にかかわらず、商談を受ける」は2%未満 架電前のリサーチが鍵に/BizHint調査|SalesZine ニュース
低コストで導入できる
DMとテレアポを組み合わせる3つ目のメリットは、低コストで導入できる点です。もし、すでにDMを使って営業をしているならそのあとにテレアポを入れるフローを組めばよいだけなのです。
テレアポはしているけどDMは使ったことがない企業もあるでしょう。DMの作成はある程度のノウハウが必要です。初めてパンフレットやチラシを作成する場合は代行サービスが豊富にあるので、まずは外部に依頼してから導入するのがおすすめです。
チラシ作成の代行サービス(デザイン制作会社)を利用する場合、デザイン費はA4片面3~5万円+印刷費が相場と言われています。もちろん、内容やデザイン会社によって費用は異なりますが、比較的低コストで導入できると言えるでしょう。
しかし、テレアポの場合、社内にノウハウや知見がないとお悩みの人も多いはず。重要になるのは、トークスクリプト(台本)の作成です。相手の返答に応じて分岐したトークスクリプトを用意することで、素人でもテレアポができるようになります。
またトークスクリプトは事前にあるていどの土台を作成し、何度も営業電話を行いPDCAを回し改善を行っていきます。
DM送付後に後追いでテレアポするデメリットはある?
DM送付後のテレアポにはデメリットもあります。とくに注意したいのが、規模の問題です。DMは1,000通以上の作成が可能ですが、同じことをテレアポでやろうとすると、時間も人材も必要です。BtoCはBtoBよりDMの数が必要になることが多いので、テレアポにかなりの労力を割く必要があります。テレアポとDMの組み合わせはどちらかというとBtoB向けの手法と言えるでしょう。
社内のリソースで賄えない場合は、BtoBの営業にせよ、BtoCの営業にせよ、関心の高そうな顧客に絞ってテレアポをするのがおすすめです。なお金融業は「不招請勧誘規制」によって、勧誘の要請をしていない顧客への電話営業・訪問営業が禁止されているので注意が必要です。
また、テレアポで押し売り感が強かったり、高圧的な印象を与える話し方をしてしまったりすると、せっかくDMで興味を持ってくれた顧客が離れてしまう可能性があります。先述の通り、トークスクリプトを用意して、効果的なテレアポをすることを心がけましょう。
DM送付後にテレアポする効果を上げる3つのコツ
DMとテレアポを組み合わせる際は、事前の準備が重要です。闇雲にDMをかけるのではなく、誰にかけるか・何を話すかを理解して、効果的に顧客を獲得しましょう。
ここでは3つのコツを紹介していきます。
顧客を絞った「リスト」を作成する
まずは、「架電リスト」を作成しましょう。簡単に言えば電話をかけるリストのことですが、DMを送付した顧客・企業に優先度をつけるのがおすすめです。詳しくは後述しますが、事前に優先度を付けて分類しておくことで、トークスクリプトの内容を顧客の分類によって使い分けることもできるようになります。顧客として見込める企業を優先的に架電リストに追加して絞り込み、費用対効果の高いテレアポを実現するための準備を整えましょう。
代表的な絞り込みの条件は、次のとおりです。
・企業の規模は自社のサービス・商品にあっているか
高額な商品・サービスなら、企業の規模を考える必要があります。基本的には、自社のサービス・商品を購入できそうな企業を優先的にリストアップしましょう。またターゲットが中小企業なら、中小企業を優先的にリストに追加しましょう。
・過去DMを送っているなら、DMからWebサイトへのアクセス経歴はあるか
過去にDMを送っており、効果測定をした経験があるなら、アクセス履歴を確認するのがおすすめです。すでに関心を持った見込み客である可能性が高いので、後追いでテレアポをすることで、顧客獲得が見込めます。
・すでに取引経験があるなら、自社のサービスは顧客の悩みや課題を解決できるものなのか
取引経験がすでにあるなら、担当者に社内の課題をヒアリングしておきましょう。自社の商品・サービスが顧客の悩み・課題を解決できそうなら、優先的に架電リストに追加するのがおすすめです。
▼リストクリーニングに関してまとめているコラムはこちら▼
リストクリーニングとは?メール配信リストを整理するメリットや方法を解説 | DMのお役立ちコラム (dmplus.jp)
効果的な流れを理解する
架電リストを作成したら、全体の流れを理解しておきましょう。大まかな流れは次のとおりです。
1.架電リストを作成する
2.事前にDM送付の許可を得る(必須ではない)
3.DMを送付する
4.テレアポを実施する
5.結果を記録する
6.5をふまえて、1〜4を改善する
ここで重要になるのが、テレアポを実施するタイミングです。できれば架電リストに送付時期の項目を設けておき、先方の繁忙期を避けてテレアポを実施するのがおすすめです。
また5~6の結果の記録・改善も非常に重要です。課題やうまくいかなかった点を記録することで、テレアポの手法だけでなく、DMの内容を見直すヒントになります。PDCAを回して精度を上げ、効果を高めていきましょう。
トークスクリプト作成は必須
「トークスクリプト」はいわゆる台本のことです。顧客の反応を事前に想定して、考えられる反応に応じたスクリプトを作成しましょう。詳しいトークスクリプトの例や作成のコツは後述します。
トークスクリプトを導入するメリットは、テレアポの効果アップと簡易化です。スクリプトを用意することで、テレアポをする人によって効果に差が出にくくなり、誰がテレアポをしても一定の効果が見込める状態を作ることができます。トークスクリプトの内容さえ理解していれば、「話しが的を射ない」と相手に不快な思いをさせることも少なくなるでしょう。
また、質問を事前に想定する・今までされた質問をスクリプトに盛り込んでおくことで、「知りたい質問に答えられない」といったトラブルを回避することができます。
電話営業とDMを組み合わせるときの流れ
ここからは、電話営業とDMを組み合わせる際の流れを解説していきます。それぞれ注意点も解説するので、理解しておきましょう。
事前にDMを送る許可を取る
DMを送付する前に、事前にDMを送る許可を取りましょう。突然かかってきたテレアポに対して、企業は不信感を持っています。しかしDMを送る許可だけなら、比較的容易に取ることができるでしょう。
事前にDMを送る許可を取ることで、DMに気づいてもらいやすくなり、開封率を高める効果が期待できます。後追いのテレアポをする際にも、「先日お電話でお伝えした」と話し始めることができるので、後追いのテレアポの効果を高めるためにも、非常に重要です。
この際、DMの外見的な特徴を伝えておくと、先方も認知しやすくなるのでおすすめです。また、担当者の名前も聞いておきましょう。宛名が個人名になっているほうが目立ちやすく、開封率アップが期待できます。ぜひ事前にDMを送る許可を取るようにしましょう。
【会話の例】
「弊社の○○サービスについてご案内をしたく、連絡を差し上げました。今お時間よろしいでしょうか?」
→構いません
「ありがとうございます。弊社は○○に向けたサービスを展開しておりまして、〜〜(サービスの説明)。今何かご利用になられているサービスはありますか?」
→すでに××社のサービスを利用しています
「左様でござましたか。☓☓社のサービスは評判もいいですよね。ぜひ弊社のサービスと比較していただければと思うのですが、弊社のサービスをまとめた資料を送付させていただいてもよろしいでしょうか?」
→構いません
「ありがとうございます。宛名は○○様宛でもよろしいでしょうか?」
DMを送付する
許可をもらったら、DMを送付します。この際、DMの宛名は事前のテレアポで聞いた担当者名宛に送るのがおすすめです。部署宛にするより目立ちやすくなり、開封率を高める効果が期待できます。
とくに注意したいのが、DMの発送時期の問題です。DM全体の流れを考えると、事前にDMの許可を取る→DMを送付する→後追いでテレアポをする間は、長くても1カ月程度がよいでしょう。事前のテレアポとDMが届くまでの期間が空きすぎると、担当者に忘れられてしまう可能性があります。
対処法としては、許可をもらったらすぐにDMを送るか、架電リストを調整するかの2つが考えられます。前者の場合、個別で送るとなるとコストがかかるのが難点です。折衷案として、1週間程度で区切るのがおすすめです。例えば第一週に許可をもらった顧客には、第二週のはじめにDMを送付する、といった方法です。
発送を業者に代行してもらう場合など、調整が難しい場合、かつ事前許可を取るのに2週間以上かかる場合は、架電リストを調整しましょう。優先度の高い顧客だけに絞って事前許可のテレアポを行い、優先度の低い顧客は後追いのテレアポだけにするのがおすすめです。
後追いでテレアポをする
DM発送から1〜2週間を目安に、後追いのテレアポをしましょう。期間が空きすぎると、不要と判断されて捨てられてしまったり、忘れられてしまったりする可能性があります。一方、発送から1週間以内にテレアポをしても、まだ届いていない・読んでもらえていないといった可能性が高くなります。
実際にDMを読んでもらった場合・DMを読んでもらっていない場合を想定したスクリプトを用意しておくと、より効果的です。
【会話の例】
【DMを読んでもらった場合のトーク例】
「先日、お電話でご案内させていただきました、○○(商品・サービス)の件でご連絡させていただきました。○○(DMの外見的な特徴)はすでにご覧頂けましたでしょうか?」
→読んだ
「ありがとうございます。それでは、改めて資料の内容・詳細についてご説明させていただければと思うのですが、○○分ほどお時間をいただければと思います。」→問題ない
「ありがとうございます。お手元の資料の○○のページをご確認いただいてもよろしいでしょうか?〜〜サービスの説明・案内〜〜」
【DMを読んでもらっていない場合のトーク例】
「先日、お電話でご案内させていただきました、○○(商品・サービス)の件でご連絡させていただきました。○○(DMの外見的な特徴)はすでにご覧頂けましたでしょうか?」
→読んでない」
「左様でございますか。弊社は○○というサービスを扱っておりまして、ぜひ☓☓の面でお力になれればと考えております。
弊社の○○はWebサイトでもご覧になれますので、ぜひ一度ご確認いただけますと幸いです。細かい点まで読んでいただくのはお手数ですので、ぜひ口頭でも補足ができればと思います。○月○日の○時頃はご都合いかがでしょうか」
トークスクリプトに必要な要件
ここからは、トークスクリプトの例と、必ず盛り込むべき要件を解説します。トークスクリプトは、相手の反応に応じて分岐するものです。はじめに、大枠の流れに応じたトークスクリプト+相手の反応(肯定・否定)に応じたスクリプト+事前に想定される質問への回答を書いたスクリプトを用意して、細かい部分は実際の業務を通じて改善していくようにしましょう。
トークスクリプトには、次の内容を盛り込みます。自社の業界や取り扱う商品・サービスに応じて、内容の追加を行ってください。
1.挨拶・自己紹介
2.担当者の確認
3.電話をした目的の伝達
4.相手への配慮・時間があるか確認
5.課題のヒアリング
6.商品の魅力の訴求
7.資料送付の可否
8.資料送付先の住所・担当者名の確認
9.資料到着後の連絡の可否
10.電話番号の確認
11.お時間をいただいたお礼
トークスクリプトの例
具体的なトークスクリプトの例は次の通りです。例文は、「成果につながる電話のコツ――トークスクリプトの作成」より引用しました。
営業担当者 |
お客様の返答例 |
|
あいさつと担当者の確認 |
私、××会社名の○○と申します。本日は、○○のご担当者様にご案内があり、ご連絡差し上げました。ご担当者様はお席にいらっしゃいますでしょうか? |
わたしです。 |
案内目的の伝達と都合の確認 |
ありがとうございます。本日は(商品やサービス)のご案内でご連絡申し上げたのですが、2~3分ほどお時間を頂戴してもよろしいでしょうか? |
どうぞ |
背景の伝達 |
ありがとうございます。最近、弊社のお客様より(各企業における大きな環境変化)の影響を受けて「○○のようなことはできないか?」とのご相談が多くなって参りました。御社Webサイトを拝見いたしましたところ、関連する事業が多いことから、同じようなお悩みをお持ちなのではないかと思い、ご連絡申し上げた次第です。 |
ありがとうございます。しかし、時間がないので、まずは資料を送っていただけませんか? |
現状の確認 |
御社では、(各企業における大きな環境変化)の件につきましては、すでに対応はお済みでしょうか? |
まだこれからです。 |
訪問の可否の確認 |
よろしければ、弊社が(各企業における大きな環境変化)の件についてお手伝いさせていただきました事例などをご紹介させていただきながら、ぜひ御社のお話をお聞きしたいと思いますが、お時間をいただけないでしょうか? |
分かりました。よいお返事ができるか分かりませんが。 |
資料送付の承諾と送付先の確認 |
恐れ入りますが、ご担当者様の所属部門と、お役職、お名前をお教えいただけますでしょうか? |
分かりました。部署名は△△部です。名前は、佐藤です。 |
ありがとうございます。それでは、△△部の佐藤様でよろしいでしょうか? ご住所は、Webサイトに掲載されておりますご住所(郵便番号、住所)でお間違いないでしょうか? |
大丈夫です。 |
|
連絡先と依頼事項の確認 |
それでは本日、資料を郵送にてお送りいたします。お手元に届きました頃に、あらためてご連絡をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか? |
構いません。 |
今後の連絡の可否 |
佐藤様、ありがとうございます。ご連絡する際は、本日おかけしているこの連絡先でよろしいでしょうか? |
構いません。 |
お礼とあいさつ |
それでは、本日資料をお送りいたします。ぜひお目通しください。 |
分かりました。 |
お時間をいただき、ありがとうございます。失礼いたします。 |
失礼いたします。 |
もちろん、必ずしもこの例に従えばいいというわけではありません。例えば資料送付の可否を聞く順番を早めて、簡潔に伝えることを意識してもいいでしょう。また、DMの送付を1つの手段として、基本的にテレアポで顧客を獲得することを前提としたスクリプトに組み替えるのもおすすめです。
トークの際の注意点
ここからは、テレアポをする際に理解しておきたい注意点と、テレアポを効果的に行うためのコツを紹介していきます。
大前提、営業電話は断られる。DM送付の有無は関係ないぐらいの気持ちでかける
大前提として、テレアポは断られるものです。事前にDM送付の許可を取る段階でさえ、許可をもらえないことは多くあるでしょう。また、DMを送付後のテレアポの段階でも、クロージングに至るのは難しいです。
断られたときは素直に相手の言葉を受け入れ、無理に食い下がらないようにしましょう。かえってマイナスな心象を与えてしまい、話を聞きたいと思われなくなってしまいます。
DMを送付する施策を行っても、クロージング率が上がるような劇的な効果は期待できません。あくまでも断られる前提でスクリプトを作成し、相手の要望を受け入れつつ、マイナスな印象にならないよう注意しましょう。例えば「今は必要ない」と言われたら、「今すぐ変更していただく必要はありません」、「今は忙しい」と言われたら、「カタログだけでもお渡しできればと思います」など、テレアポが終わってからも検討してもらえる可能性を残すのが重要です。
会話の無駄を省く・結論ファーストを心掛ける
テレアポは、先方の貴重な時間をいただく行為です。先に会話の全体感や要点が分からないと、先方は時間を無駄にしたと感じるでしょう。もちろん、自分の時間も無駄になってしまいます。
まずは電話をした目的を伝え、どんな商品・サービスを紹介するのかを伝えましょう。興味を持ってくれた相手にだけ話すことで、双方の時間が省略されます。
また、「結論ファースト」を心がけるのがおすすめです。結論ファーストとは、「近年、○○(業界に関わる問題や動き)の影響で、ますます○○という課題を抱えている企業が増えています」と背景から説明するのではなく、「弊社は○○な企業に向けて○○するサービスを提供しています」と、話の結論を先に話して、そこから背景を説明する話し方です。相手に要点が伝わりやすくなり、話をスムーズに進めることが可能です。
相手の立場に立って、同調するように話す
「自分宛にテレアポが来たとき、自分ならどういう対応をするだろうか」と考えて、話し方を変えるのも効果的です。正直、「早く電話を切りたい」と考える人は多いでしょう。
自分なら、どんな話をされたら話を聞こうと思うでしょうか?これはあくまで例ですが、「うまい話」をなるべく早めに持ってくるのが重要です。例えば「○○という課題を抱えていらっしゃいませんか?ぜひ弊社の○○で、コスト削減のお手伝いができればと思います」といった具合です。
このとき、声のトーンやテンションを相手に合わせたり、話すスピードを相手に合わせたりと、相手と自分の間で温度差が生まれないようにするのも重要です。
また、相手の目線とあった言葉を使うのも重要です。例えば、「ソーシャルリスクに悩んでいないですか?」と話すところ、「新入社員の炎上リスクは、なにか対策されてますか?」といったように、聞きなじみのある言葉を使うことを心がけてみてください。
相手にとってのメリットを紹介する
先述の「同調」に似ていますが、相手の立場に立って、相手にとってのメリットを考えるのも重要です。自分にとってのゴールは「自社の利益になること」ですが、先方のゴールは「先方の利益になること」です。
つまり「自社にとって不利益になりそう」と思われたら、断られてしまいます。あくまで、相手にとって利益になることを主軸に話すように心がけましょう。また、押し売り感を出したり、一方的にメリットを訴求したりするのはNGです。相手の要望・課題をヒアリングした上で、自社がその要望・課題に対してどのように力になれるのか話すのがおすすめです。
もちろん、事前にトークスクリプトに組み込んでおきましょう。トークスクリプトに用意していた回答をしても、先方は「自社のことを考えてくれている」と思ってくれるかもしれません。
質問は事前に想定しておく
質問への回答は、なるべくすぐにできるようにしましょう。「ちょっと確認してみますね」というのは簡単ですが、先方は「この程度の質問も回答できないのか」と思うかもしれません。相手に頼りがいのある印象を与えて、信頼を勝ち取りましょう。
ある程度予測ができる質問は、事前にトークスクリプトに用意しておくのがおすすめです。また、一度された質問は記録して、返信を考えてトークスクリプトに盛り込みましょう。
頼りない印象を持たれてしまうと、自社の商品やサービスに対しても不信感を持たれてしまう可能性があります。トークスクリプトに質問と返信をため続ければ、数をこなせばこなすほど、質問に対してすぐに回答できるようになります。
二者択一を巧みに使う
二者択一では「決定的な二者択一」を避けるのが重要です。二者択一話法は、「A」「B」と選択肢を狭めることで、どちらかの回答に誘導するのが目的です。選択肢のなかに「申し込まない」が入っていると、相手に「申し込まない」に逃げられてしまいます。例えば、「Aを申し込む」「Bを申し込む」の二者択一を提案するようにしてみてください。
テレアポの際に「○○について、ご検討のほどよろしくお願いいたします」と聞くと、相手に決定的な二者択一を迫ってしまいます。そこで、「もし興味がございましたら、見積書の作成が可能です。AというパターンとBというパターン、どちらで作成しましょうか?」と聞くようにしましょう。もちろん反対されることもありますが、クロージングに一歩近づくことができます。
電話を切ることを「拒む」「追いかける」のはNG
相手が電話を切ろうとしたとき、無理に拒んだり、引き止めたりするのはおすすめできません。相手に悪い印象を与え、顧客が離れてしまう可能性があります。「時間がなくて…」と顧客が言ったとき、相手は断ろうとしているのではなく、本当に時間がないだけかもしれません。
「今別の会社と契約していて」「興味ないです」と担当者から言われても、あとから思い出して、商品・サービスに申し込んでくれる可能性もあります。目先のクロージングにとらわれず、将来的な顧客を失わないように注意しましょう。
PDCAを回して精度を向上させる
DMとテレアポを組み合わせる場合、PDCAサイクルを回すのが重要です。
PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を指します。ターゲットの選定や送付物の内容を計画し、実際にDM営業を実行した後は、成果を分析して効果を高めるよう改善していきます。
テレアポのスクリプトはもちろん、DMの内容も含めて、継続的にPDCAを回していきましょう。テレアポを組み合わせれば、実際に「DMを読んでもらったか」確認できるので、開封率の測定が可能です。開封率が低いなら、DMが目立っていないかもしれません。表紙のデザインを工夫したり、封筒の見た目に凝ったりと、目立たせる施策が考えられます。ABテストを行って、開封率を測定するのもいいでしょう。
テレアポのスクリプト改善も重要です。DMの開封率は向上したのに、クロージングの割合が上がらないという場合、テレアポに問題があるかもしれません。社内・社外の意見を取り入れつつ、スクリプトの改善を繰り返していきましょう。
PDCAサイクルをうまく回すには、正確な効果測定(Check)が必要です。DMの効果測定の方法はさまざまですが、レスポンス率(=反応率)・CVR(=最終的な成果につながった割合)・F2転換率(=リピート率)・CPR(=レスポンス1件あたりのコスト)・CPO(=受注1件あたりのコスト)を計測することで、費用対効果をある程度把握できるようになります。
詳しくは次の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
<効果測定について解説した記事URL>
まとめ
今回は、DMとテレアポを組み合わせたマーケティング手法について紹介してきました。この手法は、DM・テレアポ双方のPDCAを同時に回していかなければなりません。そのため、効果測定が何よりも欠かせません。
自社に効果測定の知見を持った人材がいない場合や、外部機関へ依頼する前に自分達で効果測定をしたいという場合は、DM+のサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
DM+では、顧客ごとに固有のQRコードを添付するサービスを行っています。誰がいつQRコードにアクセスしたのか・遷移後に誰がCVしたのかをリサーチできるため、より高度な効果測定が可能です。
また、アクセスはしたが、コンバージョン(申し込み・資料請求など)に至らなかった顧客に対してテレアポを行うなど、新しい一手を打ち出すヒントにもなります。すでにアクセスをした経験があるユーザーへのテレアポは、かける側の心理的ハードルが下がるだけでなく、クロージングにも繫がりやすくなります。DMの効果をより高めるために、ぜひ検討してみてください。