ダイレクトマーケティングとは? 6つの主な手法と活用している業界例、実施する際の注意点を解説

DMのお役立ちコラム

1960年代の誕生から半世紀以上の歴史を持つ「ダイレクトマーケティング」。

いわゆる「マスマーケティング」に対応する概念としても知られています。

一方では数あるマーケティング手法の中でも、顧客を中心としたその基礎的な理論は現在でも色あせていません。

本記事ではダイレクトマーケティングについて調べている企業や店舗の担当者・責任者の方に向けて、その概要をお知らせします。

ダイレクトマーケティングにおける6つの主な手法とそれらを活用している業界の実例、そしてこの施策を実施する際の注意点などを解説します。

ダイレクトマーケティングとは?

「ダイレクトマーケティング」とは読んで字のごとく、企業が顧客との直接的なコミュニケーションを通じて購買行動へと促す手法のことです。

これは顧客を一括した不特定多数として捉えるのではなく、個人とのいわば一対一の関係性を構築しつつビジネスへつなげることを目的としている点に特徴があります。

法人と個人との間のやり取りが中心になりますが、企業を一つの人格的な売り手と捉えてのコミュニケーションともいえるでしょう。

いわゆる「One to Oneマーケティング」の基礎でもあり、量的なアプローチで不特定多数にアプローチする「マスマーケティング」とはここが大きく異なる点です。

メリット

ダイレクトマーケティングのメリットについては、第一に費用対効果の高さが挙げられます。

顧客と一対一でコミュニケーションを深めていくことによって、いわゆる優良顧客へと育つ可能性が向上するためです。

商品やサービスの購買・利用、そしてリピートといった好循環を生み出してくれる優良顧客は、企業と個人との信頼関係によって成り立つといっても過言ではありません。

ダイレクトマーケティングはこうした意味において非常に有効な手法であるといえます。

また、顧客個人とのやり取りを通じて効果測定や施策の検証を行いやすいのもメリットです。

さらに場合によっては大規模なインフラや仕組みを必要とせず、比較的少人数でも施策を実行できるのも魅力の一つでしょう。

デメリット

一方、デメリットとなる点もあります。

一つには十分な効果を発揮するまで、一定の期間が必要となるケースの多いことが挙げられます。

One to Oneのコミュニケーションにおいても信頼関係の構築は一朝一夕では実現せず、弛まない繰り返しのアプローチが重要なのは論を待ちません。

またダイレクトマーケティングの実施は少人数でも可能であるものの、効果測定や施策の検証には一定の専門知識が必要になります。

従ってこうしたマーケティングや分析のスキルを持つ専門人材の育成、あるいは確保がネックの一つになるといえます。

無論、営業的なスタンスも重要なポイントとなるため、顧客と直接信頼関係を築くことができるコミュニケーションスキルは必須といえるでしょう。

ダイレクトマーケティングの主な手法6つ

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一口にダイレクトマーケティングといっても、具体的には多くの手法があります。

以下に代表的な6例を挙げましたので、実例を踏まえながらそれぞれの概要と特徴を見ていきましょう。

1.DM(ダイレクトメール)

この場合のDMとは紙のダイレクトメールのことを指しています。

個人宛てに直接送る手紙の形式であるため、高い開封閲読率を示すツールです。

個人名宛てに届くことからダイレクトマーケティングでは有効な手段の一つであり、例えば会員特典などのベネフィット付与により特別感を演出することもできます。

また、内容を一通ごとに変えて顧客一人一人への異なる通知を可能とするパーソナライズDMもあり、より一層のOne to Oneコミュニケーションへとつながる効果を期待できます。

内部リンク:パーソナライズDMとは?メリットや作成~発送までの流れを解説

2.電話

電話は顧客と直接会話できるため、ダイレクトマーケティングでも効果を発揮する手段の一つです。

新規営業の電話だけではなく、特典情報のお知らせやフォローアップなどきめ細かなコミュニケーションに強みがあります。

顧客の生の声をヒアリングできる機会にもなるため、データ収集という意味でも重要な位置付けとなっています。

一方では会話中は顧客を一定時間拘束することとなり、電話応対ができる日時も流動的である点には注意が必要です。

3.Eメール

パソコンやモバイル端末宛てに直接文章を送れるEメールも、ダイレクトマーケティングでは多用されています。

通常のお知らせや営業メールだけではなく、メールマガジンといった機関誌的な体裁をとった読み物としてのEメール送付という手段も一般的です。

送付先メールアドレスのリストがあれば多数の顧客に送信することが可能で、実施にかかるコストも低く抑えられます。

ただし誤送信や個人情報の流出といったリスクには細心の注意を払いましょう。

4.レコメンデーション

レコメンデーションとは顧客の商品購入やサービス利用履歴から、関心の高そうな類似商品・関連サービスなどを紹介する手法です。

ECサイトでの活用が代表例ですが、他にも電話やFAX、対面での案内といったアナログアプローチ、メルマガやSNSなどを通じて実施することもできます。

あらかじめ顧客の興味を引く可能性が高いものをピックアップするため、購買や利用への高い行動喚起率を期待できる方法です。

5.Web広告

Web広告といえば、インターネットサイトに掲載されている各種の広告バナーをイメージすると分かりやすいでしょう。

不特定多数の目に触れるものでもあるため、マスマーケティング的な手法にも感じられますが、ダイレクトマーケティングでも効果を発揮します。

それというのもWeb広告のクリックによって商品・サービスの購入や利用につながった場合は個人とのコミュニケーションの契機となり、そのデータを元に先述のレコメンデーションも可能となるためです。

またクリック率やコンバージョン率といった効果測定が容易となる点も大きなメリットです。

6.SNS

SNSにはさまざまな種類がありますが、現在では企業が公式のアカウントを開設して情報発信を行うことも少なくありません。

各サービスに特色があるため得意分野はそれぞれに異なりますが、強い拡散力で多くの人の目に触れたり、いわば口コミに類する伝播力を発揮したりといった効果があります。

また顧客からの問い合わせや要望などをコメントやメッセージとして直接受け取ることもでき、SNS上でのダイレクトコミュニケーションが可能となる点もメリットです。

ダイレクトマーケティングを活用している業界の例

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ダイレクトマーケティングの定義や手法についてご紹介してきましたが、では具体的にはどういった業界で活用されているのでしょうか。

以下、各業種について実例を見ていきましょう。

通信教育

複数の場所や遠隔地から受講する顧客を擁する通信教育業界では、ダイレクトマーケティングの手法が適しています。

一方通行の学習ではなく、質問や添削・アドバイスといった双方向のコミュニケーションを経るのがセオリーであるため、自然な形でこうした方法になるともいえるでしょう。

導入している企業の代表例としては「ベネッセコーポレーション」「ジャストシステム」「ユーキャン」などが挙げられます。

化粧品・健康食品

肌に触れる化粧品、口にする健康食品などを扱う業界もダイレクトマーケティングが適しています。

これらは個人によって効果や悩みが異なるため、One to Oneコミュニケーションによるモニターが必要となるためです。

また、化粧品も健康食品も継続利用が想定される商材で、優良顧客育成も視野に入れた施策としても期待されます。

導入している企業の代表例としては「DHC」「ファンケル」「再春館製薬所」などが挙げられます。

金融・保険

金融・保険を取り扱う業界でもダイレクトマーケティングの手法を活用しています。

金融商品も保険商品も、共にライフステージにおいては長いスパンでの利用が想定されるものです。

また相互に具体性のある社会的信頼性が必要な商品形態でもあり、そうした点においてダイレクトマーケティングによるきめ細かなフォローが必要となり、DMなど目を通してもらいやすいツールも多用されています。

導入している企業の代表例としては大手のメガバンク各行に加え「ライフネット生命」「ソニー生命」などが挙げられます。

不動産

不動産はライフステージにおいて最も高額な買い物の一つともいわれるため、顧客にとっては慎重にならざるを得ない商品であるといえます。

そのためこの業界でもダイレクトマーケティングにより、丁寧な案内とフォローで顧客の購買行動を喚起するのがセオリーです。

現物による住宅展示やフォローアップDMの発送など、懇切で親身なコミュニケーションが効果を発揮します。

導入している企業の代表例としては「積水ハウス」「オープンハウス」などが挙げられます。

内部リンク:不動産業必見!DMを成功させるテクニック【ターゲット別の文例も紹介】

ダイレクトマーケティングを実施する際の注意点

ダイレクトマーケティングのメリット・デメリットを含め、導入している企業の事例を交えつつその訴求力を中心に解説してきました。

一方では実施の際に注意すべき点もあるため、以下2つのポイントに絞って見てみましょう。

ターゲットや商材に合った手法を選択する

ダイレクトマーケティングの実施には上記のとおりさまざまな手法がありますが、ターゲットや商材ごとに最適なものを選択する必要があります。

例えばターゲットの年齢層が高ければWebよりも紙のフライヤーやDMでアプローチしたり、商材が健康食品やサプリといった口に入るものであれば電話で感触を直接ヒアリングしたりといった施策が考えられます。

適材適所の手法を選ぶことがポイントです。

長期的な目線で取り組む

デメリットに関する項目でも触れましたが、ダイレクトマーケティングはその効果を発揮するまでに一定の時間を要する傾向があります。

しかしその分ターゲットを優良顧客として育成できる可能性も高いため、長期的な目線・視点で取り組むことが肝心です。

特定の顧客に対して専属の担当者が付いたとしても、それが長期で続けられないケースも発生します。そうした場合にも引き継ぎや顔つなぎを適切に行い、顧客に安心感を持ってもらうような配慮が必要となります。

まとめ

今回はダイレクトマーケティングについての概要と主な手法について解説しました。

繰り返しになりますが、それぞれの目的に合った方法を適切に選択することがポイントになります。

ダイレクトマーケティングで有効な分析型DMを提供する「DM+」では、顧客ごとのDMに固有のQRコードを添付し、送付後のトラッキングができるサービスを展開しています。

これによりDMを受け取った後にどういった行動をとったか、あるいはそれをきっかけとして商品の購入やサービスの利用に至ったかをモニターすることも可能です。

紙DMを利用した販促・マーケティング施策に、ぜひご活用ください。

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