DMはさまざまなビジネスシーンで活用されています。例えば、新規顧客を獲得、既存顧客の来店のきっかけ作りなどを目的に利用されるケースが多いです。そのため、DMを受け取った経験のある方も多くいるでしょう。また、DMはBtoCだけでなく、BtoBにおいても高い効果を期待できるアプローチ方法です。
DMは顧客に対して手軽にアプローチできる方法であることからも多くの企業が活用しています。そのため、ポイントに留意したアプローチ方法でなければ、見落とされることもあるので注意が必要です。
本記事ではBtoBとBtoCの違いを確認した上で、BtoBでDMが活発な業界やBtoBとBtoCにおけるDMのアプローチの方法の違いについて解説します。あわせて、DMの成功例や、DMのどういった点が効果的なのか成功事例から解説します。
BtoBとBtoCの違い
BtoBとBtoCの違いを一言で述べると、ターゲットが法人か個人かという点での違いです。BtoBは法人に対してアプローチするのに対し、BtoCは個人に対してアプローチします。
BtoCは個人を対象にサービスを提供していることから、多くの人に馴染みのある企業が多いです。一方、BtoBは法人向けのサービスのため、消費者が直接触れる機会が少ない企業も多いです。
また、BtoBとBtoCというグループ分けがあるものの、業界によっては法人向けと個人向けどちらのサービスも提供しています。法人と個人の両方に販促を行う場合、DMの訴求方法もそれぞれ異なります。
アプローチする方法
BtoBとBtoCでは求められているものが異なることを覚えておきましょう。例えば、BtoBは自社が抱える課題を解決できるサービスや、実用的なデータが求められている傾向にあります。一方、BtoCではお得情報や新サービスの紹介などが求められている傾向です。
BtoB向けのDMを送る際は、DMの読み手とサービスの実際の利用者が異なる可能性があることに留意しなければなりません。そのため、現場の作業負担が軽減される点や、現場で働く人ならではの課題について詳細に説明したとしても、読み手の心に響かず、現場まで届かないこともあります。BtoBを対象にしたDMではサービスを導入することで、社内全体にどのような利益が期待できるかまで訴求する必要があります。
一方、BtoC向けのDMは個人に対してのものです。受け取り手が抱える問題を解決したり、欲求を満たすサービスの案内を送ると効果的でしょう。また、娯楽的要素やワクワクした気持ちになるような情報を求めている個人の顧客も多いです。
担当者=購入者(決裁者)ではない
企業にDMを送るにあたって、担当者のみが購入の決定権を有しているわけではないことを覚えておく必要があります。新たなサービスを利用するには社内全体での検討が必要です。そのため、担当者が興味を持ち、利用してみたいと思ったサービスであっても、社内での検討の結果としてサービスの利用に結び付かないケースは珍しくありません。
DMを企業に送る際は一部の担当者に向けた内容ではなく、複数の読み手にアプローチできる内容にするよう心掛けましょう。
また、DM送付後にテレアポをする事も効果的です。
企業向けDMの成功例
DMはメジャーなマーケティング手法の一つですが、顧客に送ることで効果を確実に得られるわけではありません。効果を実感できるようなDMを作成するためには、成功した企業のDMも参考にできるはずです。
また、DMを自社で制作することが難しい場合、外部に制作を依頼できます。プロに依頼することで、より魅力的なDMに仕上がることも少なくありません。
企業向けDMの成功例として下記の3つがあります。
-
- みずほ証券
-
- 株式会社IDOM
-
- ソフトバンク株式会社
それぞれ詳しく見ていきましょう。
みずほ証券
みずほ証券はNISA口座の新規利用と利用促進を目的に、顧客へのアプローチ方法としてDM、専用サイト、モバイルを連動させました。
顧客を8つのグループに分け、各グループのニーズに合った内容のDMを送りました。また、DMにはNISA口座の利用可能額などそれぞれの情報を掲載し、レア感の演出などの工夫も見られます。その他にも、個別QRコードやIDとパスワードの付与などを行い、特設サイトにグループ別に誘導しました。
これらの取り組みの結果、NISAの口座の新規利用率が大幅にアップ。その他にも、セミナーの出席率のアップやメールアドレスの登録者数を増やすことにも成功したようです。
※出典:日本郵政「全日本DM大賞 入賞作品」
株式会社IDOM
株式会社IDOMは購入履歴のある顧客を対象に、車の乗り換えを促すDMを送付。自社と提携しているローン会社のローン残額に関する情報と自社商品を結び付け、乗り換え時の軍資金を顧客別に提供しました。
顧客が乗り換え資金について具体的にイメージできたことも関係し、過去のDMと比較して4.85倍の反応を獲得することに成功したようです。
※出典:日本郵政「全日本DM大賞 入賞作品」
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社は電子決済サービスPayPayの利用促進のために、DMを継続的に送る施策を企てました。
受け取り手に対して、利用しなければ損といった心情を刺激するため、DMの宛名面と中面で訴求内容が違う点が特徴です。中面では損失回避が強調され、裏面においてはお得感がアピールされており、サービスの利用を促す内容になっています。
また、ナビゲーションキャラクターを設定することで、オンラインでも利用可能だという高い利便性もアピール。店舗に足を運ぶことが難しい顧客にも利用の手軽さを強調し、反応が見込まれる顧客を逃さないよう工夫されています。
その結果、前回のDMの反応率の2.5倍である、CVR26.5%を達成しました。
※出典:日本郵政「全日本DM大賞 入賞作品」
企業向けDMでの効果的な方法
DMを顧客となる企業に送る際に効果的な方法を用いることにより、売上向上や費用対効果などのメリットを期待できるはずです。
企業向けDMでの効果的な方法として下記の4つが挙げられます。
-
- 目的に合わせてターゲットを選ぶ
-
- アプローチポイントは論理的に
-
- トライアル、説明会開催などの情報を入れる
-
- レスポンス方法を決める
それぞれ詳しく解説します。
目的に合わせてターゲットを選ぶ
DMを送る際はターゲットを選択し、ターゲットに合った訴求内容にするのがコツです。ターゲットを狭め、送り先のニーズに合ったサービスや商品に関する情報を掲載するようにしましょう。複数の業界や企業にDMを送る場合、業界や企業に合わせて内容を少し変更するだけでも効果をより高められるでしょう。
ターゲットの選定には市場調査が不可欠です。市場調査とはマーケティングを行う上で不可欠な情報を消費者や見込み顧客から収集し、分析を行うことで、高いニーズのサービスを生み出すことです。市場調査ではエリアや年代別の調査などの他、既存顧客における業界分布も参考になるはずです。
DMはフォーマットがあれば、膨大な数のDMを一括で出すこともできます。しかし、フォーマットに従ったDMはオリジナリティが欠ける傾向にあり、受け取り手に響きにくいでしょう。
アプローチポイントは論理的に
有益な情報のDMであっても、受け取り手は送り手である事業者について知らなければ反応する可能性は低いです。一見すると魅力的に見える内容であっても、自分の知らない相手からのDMに反応する人はあまりいないでしょう。
相手にDMの内容を信用してもらうためには、実績や成果を表す数値などを記載し、サービスの特徴を論理的に伝えることが求められます。このとき、イラストやグラフを用いることで、受け取り手はサービスの利点を一目で把握できます。
また、DMの受け取り手は多忙であったり、数多くの郵送物を受け取っていたりする可能性も高いです。多忙な状況において数多くの郵送物が届いた場合、顧客や知っている人からのDM以外には目を通さないケースも多いと考えられます。自社のDMに目を通し、覚えてもらうためには、キャッチコピーを入れるなど分かりやすさを重視することをおすすめします。
DMを送る際は、自社サービスのメリットを羅列しないように気を付けてください。根拠がない主観的なメリットを多く記載したとしても、受け取り手の心を惹き付けられるとは限らないでしょう。
トライアル、説明会開催などの情報を入れる
BtoBを対象にしたサービスは高額になりがちです。トライアル期間がなかったり、説明が不十分で疑問が残っていたりすると、サービスや商品の購入は見送られるでしょう。
無料のトライアル期間を設けておくことで、その商品やサービスを手に取る心理的ハードルが大きく下がります。また、トライアルを何気なく利用した顧客であっても、使用感が気に入り契約に至るケースも多いです。
また、初回割引や期間限定の割引なども、DMの受け取り手をサービスの利用につなげる上で効果があります。興味を抱いたDMの受け取り手にすぐに行動してもらうことで、購入に至らないままサービスについて忘れられることを回避できるでしょう。
レスポンス方法を決める
DMに対するレスポンス方法を決めておかないと、サービスやDMに関することで問い合わせようと思った顧客の混乱を招く可能性もあります。DMに興味を抱いた受け取り手をサービスの利用に結び付けるためには、レスポンス方法を明確にしておくのがポイントです。
また、DMのレスポンス方法として、LPやサービス紹介の動画ページへの誘導もおすすめです。受け取り手をWebサイトや動画に誘導することで、受け取り手は社内で他の社員と情報を共有しやすくなります。受け取り手が魅力を感じたサービスであっても、決裁権を有する人たちとの共有が難しいと判断した場合、その時点で利用を諦めるというケースも少なくありません。DMの内容を社内で共有しやすいようリードすることも、DMの効果をアップさせるためのコツです。
その他にも、DMにQRコードを入れておくと、受け取り手は少ない負担で送り手の公式サイトやサービスのサイトにアクセスできるのでおすすめです。
まとめ
DMは顧客に比較的手軽にアプローチできる方法であることから、マーケティング手法として採用している企業は多々あります。
DMはBtoB向けとBtoC向けがあり、それぞれアプローチ方法や注意点が異なります。例えば、BtoB向けのDMは決裁権を有する人と現場でサービスを実際に使う人は異なるため、さまざまな立場にある人たちにとって魅力的な内容になるよう心掛けるのがポイントです。一方、BtoC向けのDMは受け取り手が悩みを解消できると感じたり、欲求を満たせると思えたりする内容にする必要があります。
DMで成果を出したい企業の担当者の方には「DM+」がおすすめです。各DMに固有のQRコードを添付することで、DM送付後のトラッキングができます。顧客の反応を可視化でき、顧客へのより効果的なアプローチが可能になります。