企業から顧客へ送られるDM(ダイレクトメール)は、新規顧客の獲得や既存顧客の育成など、BtoB企業・BtoC企業を問わず有効なマーケティング施策の一つです。
多くの企業で行われているDMですが、担当者が悩むのは「はがきタイプ」と「封筒(封書)タイプ」どちらを送るべきかという点でしょう。
封筒タイプは情報量を増やしやすく、デザインや材質で差別化しやすいのがメリット。しかし開封の手間があるため、はがきに比べると開封率は低いのがデメリットです。
そこでDMを封筒で送るメリットを詳しく紹介するとともに、DMの開封率を上げる3つの方法も解説します。どのタイプで送るべきか悩まれる場合は、ぜひ参考にしてみてください。
DMを封筒で送る2つのメリット
DMを封筒で送るメリットは、大きく2つあります。どちらも封筒ならではのポイントで、はがきとの大きな違いでもあります。
送りたいDMの内容や自社のスタイルなどと照らし合わせて、適した方法を選択しましょう。
情報量の多いDMを送れる
封筒で送ると、DMの情報量を増やせるのが大きなメリットです。
はがきのように紙面の制限がないので、相手に多くの情報を伝えたい際にぴったりです。例えばサービスの料金体系など、複雑な情報を伝えやすくなります。
またチラシやカタログ、リーフレットなどの冊子を入れられるだけでなく、商品サンプルのような小物も封入できるので、封入物の幅が広いのも情報量を増やせるポイントです。
宛名を印字して発送するだけで完了するので、既存の資料を封入するだけでもDMを送れる手軽さもあります。新規に発注する必要がないので、コスト削減にもなります。
サービス内容の変更や料金体系の説明など、情報量の多いDMを送りたいのであれば、封筒での送付がおすすめです。
デザインや材質で差別化できる
デザインや材質にこだわることで、他のDMや郵便物と差別化することが可能です。
地味なデザインだったりよくある見た目のものだったりすると、興味を持ってもらえないかもしれません。
他のDMや郵便物に埋もれてしまうなど、開封されることなく、捨てられる可能性があります。
封筒のデザインや色・素材などにこだわって、オリジナリティ溢れるものにすれば受け取った人の興味を引きやすくなります。
おしゃれなデザインやお得さが伝わるデザインなど、伝えたい内容にマッチした封筒を選べば「特別感」が生まれるため「中身が気になる」と思ってもらえるでしょう。
DMを開封してもらうためにも、デザインで関心を引くことは重要な要素です。
DMを送る際の封筒のサイズは?
ひと口に封筒といってもさまざまなサイズがありますが、DMによく使われるのは「角形2号封筒」と「長形3号封筒」の2つです。
どちらもA4用紙を封入するのに適しており、A4サイズのチラシやパンフレットを入れやすくなっています。サイズが異なるので、必要に応じて使い分けましょう。
- 角形2号封筒:A4用紙を折らずに入れられる
- 長形3号封筒:A4用紙を3つ折りで入れられる
角形2号はA4サイズのカタログや、折り目をつけたくない書類などを送るのにおすすめです。
対して長形3号はクーポン券やチケットなど、横長のものを送るのに適しており、A4サイズのものでも3つ折りにすれば入るため、汎用性が高くなっています。
また封入物によっては、カスタムサイズで送るのもおすすめです。大きな封入物でも入るように、サイズを変更できます。
またサイズを自由に決められる以外に、封筒そのものの形状も変更できるので、オーダーメイドで目立つ封筒を作成することも可能です。
DMの内容に応じて、適したサイズの封筒を選びましょう。
DMを送る際の封筒の材質は?
封筒の材質は、大きく「紙封筒」と「ビニール封筒」の2つに分けられます。封入物や送り先などに応じて、使い分けることが大切です。
紙封筒は中身が見えないため、信頼感や安心感を与える効果があります。
DMの場合は、紙封筒の中でも白色のものや色付きのものが主に使われており、特に白は信頼性を高めるのに効果的です。
役所からの文書にも使用されているため、高級感や信頼性を売りにする商品に適しています。
カラー封筒はテキストやロゴなども含め、デザイン性で差別化が図れます。
対してビニール封筒は、未開封でも中が見えるため、ある程度情報を伝えられるおかげで開封率が高くなっています。
コスト削減できる点や、防水性に優れる点もメリットです。
しかし高級感や信頼性に欠ける点や、封入物に魅力がないと開封されにくいのがデメリットです。開封してもらえるよう工夫する必要があります。
紙・ビニールどちらの封筒が適しているのか、封入物や送り先などを踏まえて考えましょう。
DMの開封率を上げる3つの方法
DMは送るだけでは意味がなく、開封して中身を読んでもらう必要があります。
一般社団法人日本ダイレクトメール協会による「DMメディア実態調査2021」によると、届いたDMのうち32.4%が読まれていません。(※)
少しでも多くの人に目を通してもらうために、開封率を上げる3つの方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
※出典:一般社団法人日本ダイレクトメール協会. 「DMメディア実態調査2021」. 2022年4月掲載, https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2022-000021.pdf(2022年12月13日参照)
1. 中身が見える封筒を使用する
中身の見えるビニール封筒を使用すると、未開封でも中身が分かるので、興味を抱かれやすくなります。
例えばクーポンや割引き情報など、受け手にメリットがある情報が透けて見えていると、開封されやすくなります。
他にも内容を一部分だけ見せるなど、情報を小出しにするのもおすすめです。続きが気になることで、開封されやすくなります。
封筒を受け取った瞬間に「開封したい」と思わせる工夫を施すことが大切です。
ただし信頼感や高級感を高めたい場合など、紙封筒の方が適している場合もあるので、DMの内容や自社の商品・サービスなどに応じて使い分けましょう。
2. キャッチコピーやデザインを工夫する
キャッチコピーやデザインを工夫して、封書の中身への期待感を煽るのも大切なポイントです。
封筒そのものや透けて見える中身に、目を引くキャッチコピーやデザインが施されていると、中身に興味を持たれやすくなります。
例えば「キャンペーン実施中!詳細は冊子をご確認ください」「お申し込みは〇日まで」「これを見た方限定のご案内」のように、中身を匂わせたり限定感を出したりして、関心を引くのが有効です。
また文章だけでなく、写真やイラストといったアイキャッチも重要なポイントです。
アピールしたい内容が伝わる、魅力的な写真やイラストを活用すると視覚的に訴えられるので、郵便物が多くても埋もれにくく、文字では伝わらない情報も瞬時に伝えられます。
「パッと見て気になるもの」「楽しそうに感じさせるもの」など、もっと見たくなるようなアイキャッチに仕上げることが大切です。
DMのターゲットに合ったデザインやカラーリングにして、中身への期待感を高めるようにしましょう。
3. 封筒を開けやすくする
開けやすい封筒を使用することも、開封率アップに効果的です。
のり付けされた封筒は開けにくく、そのまま捨てられるかもしれません。ジッパー加工やミシン目加工を施すなど、手で簡単に開封できるようフタに工夫を施しましょう。
また商品のサンプルや景品など、立体感を出すのもおすすめです。封筒に不自然な膨らみや厚みがあると、何が入っているのか気になるので、開封されやすくなります。
少しでも開封の手間を省いたり、立体感を出して中身に興味を持たせたりすることで、開封されやすいDMになります。
DMは封筒や中身を工夫して開封率を高めよう
顧客へのDMを封筒で送ると、より多くの情報を伝えられるため、複雑な情報でも伝えやすくなります。
デザインや材質での差別化も可能なので、他の郵便物に埋もれにくくすることもできます。
しかし開封してもらえるとは限らないので、封筒そのものや中身に工夫を凝らして、開封率を高めることが大切です。
中身が見えるようにしたり、立体物を入れたりして、開けたいと思われる「中身が気になる」DMに仕上げて開封率を高めましょう。