ターゲティングDMとは? メリット・デメリットや成果を上げるコツについて解説

ターゲティングDMとは、顧客属性や過去の販売履歴などを基準に顧客を分類した後、特定のターゲットに絞ってDMを送付する手法です。不特定多数にDMを送付する場合と比べて、どのようなメリットが望めるでしょうか。

本記事では、BtoCサービスを提供する企業の経営者や営業職の方を対象に、ターゲティングDMのメリット・デメリット、成果を上げるコツなどを紹介します。

ターゲティングDMの実施を検討中の方、見込み顧客の育成に取り組んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

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【この記事で分かること】

  • ターゲティングDMとセグメントの違い
  • ターゲティングDMのメリット・デメリット
  • 成果を上げるコツ、活用事例

ターゲティングDMとは?

ターゲティングDMとは事前にターゲット顧客を絞り、顧客に合わせた内容をDM(ダイレクトメール)で送付することです。主な送付手段としては郵送やEメール、FAXなどが用いられます。

DMは新商品販売やキャンペーンの開催、イベントの告知など、集客強化や販売促進を目的に企業や個人顧客に送付されます。

ただし課題解決に必要な商材や情報は顧客ごとに異なるため、不特定多数にDMを発送しても成果は得にくいのが実情です。成果を上げるためには、送付先の絞り込みや個別のメッセージ作成が求められます。

ターゲティングDMとセグメントの違いは?

セグメントとは日本語で「区分」を意味し、顧客属性や購入履歴の有無などの条件に基づき、顧客をいくつかのグループに分けることです。セグメントは顧客がどのような商材や情報を求めているのかを探り、顧客理解を深めるのが目的です。

一方ターゲティングDMは、セグメントされた中から特定の顧客を選び、DMを発送する手法になります。複数のグループからターゲットにより近いと予想される顧客を選ぶため、費用対効果の向上が期待できます。

つまりセグメントされた情報がなければ、ターゲティングDMを送ることもできません。ターゲティングDMを行う上で、セグメントは必要不可欠な作業といえるでしょう。

ターゲティングDMのメリット

不特定多数をターゲットにした場合と比べ、ターゲティングDMでは以下3つのメリットが期待できます。

●  顧客ごとに必要とする情報を届けられる

  • 開封率や行動喚起率が上がりやすい
  • 顧客満足度・ロイヤルティの向上が期待できる

それぞれについて解説します。

顧客ごとに必要とする情報を届けられる

ターゲティングDMを行うメリットは、顧客に応じて情報の内容を調整できる点です。

自社商材に関心が低い顧客にDMを送っても、すぐに成約に至る可能性は低いといえます。そのためまずは、自身のニーズを認知したばかりの顧客に対して、商品やサービスの概要、特典の紹介などを記載し、自社商材への関心を高める施策が必要です。

また、商材への関心が既に高い顧客には、より詳しい情報を届けることが必要です。例えば商材の導入事例や顧客の声など、購買を後押しする情報を盛り込むのが有効です。

開封率や行動喚起率が上がりやすい

ターゲティングDMは、不特定多数にDMを発送する場合と比べ、開封率や行動喚起率を高める効果が期待できます。

例えば比較をしている段階の人に具体的な製品紹介のDMを送った場合、内容に興味を持たれないケースが多いでしょう。その理由には、まだニーズがはっきりとしておらず、情報に対する期待が薄いことが挙げられます。

その点、購入意思があると予想される人に絞ってターゲティングDMを送った場合、DMのコピーやデザインをしっかりと認識してもらえるはずです。個別のニーズを反映できることで、興味を持ってもらえるのです。

顧客満足度・ロイヤルティの向上が期待できる

ターゲティングDMは、データ分析によって顧客理解を深められるため、提案力が高まります。顧客ニーズを反映した提案により、顧客の満足度向上、ひいては顧客ロイヤルティの向上につながっていくでしょう。

顧客ロイヤルティとは、顧客が自社商材やブランドに寄せる愛着や信頼です。顧客ロイヤルティが高い顧客ほど、自社商品やサービス、ブランドの利用に特別な価値を見出しているといえ、簡単には他社へ乗り換えない傾向にあります。

継続的な利用や購入単価の向上が望めるため、顧客ロイヤルティが高い顧客を増やすことは安定した収益へと直結するはずです。

ターゲティングDMのデメリット

ターゲティングDMを実施する前に、以下4つのデメリットを把握しておくことが重要です。

  • リーチ母数が不足しやすい
  • 制作コストと工数が増加する
  • セキュリティ対策が必要になる
  • セキュリティ対策が必要になる

リーチ母数が不足しやすい

ターゲティングDMでは送付先を絞り込むため、リーチ母数といわれる送付先の数が不足しやすい傾向にあります。マーケティングの基本的な考え方では、多くの方にDMを送付した方が、顧客の行動件数は増えるとされています。

商材やターゲットによっても変動しますが、見込み顧客のDMに対する反応率は1〜10%が1つの目安です。DMを100通送っても、最大で10人ほどしか反応が得られない計算です。

費用対効果が高まるのは事実ですが、現実的に問い合わせや資料請求などにつなげるには、ターゲティングをした上で、一定数以上の顧客にDMを送付しなければなりません。

ただしDMの送付には顧客の氏名や連絡先、住所など、顧客情報の入手が必須であり、情報量が少ないほど送付できる数が限られ、成果を得られる確率は低下するでしょう。

制作コストと工数が増加する

ターゲティングDMはDMの制作や発送、顧客情報の収集など、さまざまな作業をこなさなければなりません。開封率や顧客の行動率を高めるには、複数のメッセージを作成し、それに伴うデザインの検討も必要です。

また作業を外注する場合は業務効率化が望めるものの、外注費が発生します。依頼する場合は予算内で自社が望む業務を依頼できるか、早期の成果獲得が望めるか、慎重な見極めが必要です。

データ活用にスキルが必要になる

ターゲティングDMの成果を把握するには効果測定が必要です。効果測定を実施しない限り、どのくらいの方がDMを閲覧し、反応しているかが分かりません。

また効果測定ではさまざまな指標を使用します。例えば特定のWebサイトに誘導する内容のDMであれば、反応率やコンバージョン率、レスポンス獲得単価などの確認が必要です。指標ごとに把握できる内容や計算式は異なるため、事前に特徴を理解しておかなければなりません。

セキュリティ対策が必要になる

ターゲティングDMを送る際は情報漏えいが起きないよう、特に配慮しなければなりません。住所・氏名などの基本情報が載っているのはもちろん、DMの中身にはパーソナライズされた情報が含まれる可能性が高いためです。

例えば、引っ越しによって顧客の送付先が変わっている可能性が考えられます。仮に送付先の変更を知らずにDMを発送した場合、全くの他人である現在の住人にDMを開封されてしまうリスクがあり、顧客からの信用を失ってしまうことにもつながります。

このようなリスクを避けるためにも、送付先情報の正確性や顧客情報の鮮度を保つ努力が求められます。

ターゲティングDMで成果を上げるコツ

ターゲティングDMの成果を拡大するには、ポイントを理解しておくことが重要です。ここでは6つのポイントを紹介します。

ターゲティングDMを行う目的を決める

ターゲティングDMの成果を高めるためには、商品認知度の向上や新規顧客の獲得など、実施目的を明確化しておくことが重要です。目的が定まらないままDMを制作してしまうと、ターゲティングの精度やメッセージの質が低下し、思うような成果が得られないでしょう。

例えば「商品認知度向上を目指す」と目的を決めておくと、内容も書きやすくなり、顧客に自社商材の魅力も訴求しやすくなります。

質の高い顧客リストを作成する

ターゲティングDMで成果を上げるには、顧客リストの作成・活用が不可欠です。送付先を明確に設定しないと成果が望めないだけでなく、業務効率も低下します。顧客リストには以下の情報を記載するのがおすすめです。

  • 顧客の氏名
  • 連絡先
  • 既婚/未婚
  • 家族構成
  • 居住地
  • 購買履歴

また顧客リストを作成する際は、セグメントごとにターゲットをまとめておくのがおすすめです。効果測定の際、どのグループからの指標が高かったか、比較しやすくなります。

印刷から発送まで一貫した品質管理を心掛ける

はがきやカタログなどの郵送DMを活用する場合は、印刷から発送まで一貫した品質管理を心掛けなければなりません。優れたデザインや魅力的なメッセージを作成しても、印刷の精度が低ければ、自社商材の魅力を十分に訴求できないためです。

また品質管理の徹底に加え、誤送付による情報流出を防ぐため、ターゲティングDM送付には十分な人的リソースの確保が必要です。人員不足の場合は一つひとつの作業が雑になり、DMの破損や宛名の間違いなどが起きるリスクが高まります。

セールやキャンペーンに合わせて発送する

成果の向上に向け、セールやキャンペーンの開催に合わせてDMを発送するのも一つの方法です。商品の割引やポイント還元、限定商品の販売などを打ち出せば、顧客にとってメリットが多く、行動を起こしやすいといえます。

DMと一緒に割引クーポンやセールの招待券などを送付すると、お得感や特別感を印象付けられ、購買意欲が高まるでしょう。

デザインやメッセージをターゲットに合わせる

ターゲット顧客に見合ったデザインやメッセージ内容も、ターゲティングDMで成果を上げる上で重要な要素です。集客にDMを活用している企業は一定数あるため、その中から自社のDMに興味を持ってもらうには工夫を凝らさなければなりません。

例えばコーポレートカラーが青の場合は、DM全体や封筒に青を配色すると、デザインの統一性を印象付けられるでしょう。親しみを持ってもらうため、季節に合わせたデザインにするのも有効です。

また顧客に「自分に向けた内容」と印象付けるため、メッセージの内容はターゲットや顧客ニーズに合わせた内容にすることが重要です。

PDCAサイクルを回す

先述したように、ターゲティングDMは効果測定でさまざまな指標を分析し、目標の達成度や現状の課題を把握することが重要です。仮に効果測定を実施しないと成果が伸びない理由も分からず、対策も立てられないでしょう。

効果測定の方法は、アンケートの実施や申込番号の記載、割引券の付与など、さまざまな選択肢が挙げられます。また普段からアクセス解析ツールを利用している場合は、DMにQRコードを掲載しておく方法もおすすめです。顧客属性に加えて行動傾向や流入経路などを分析でき、顧客の購買傾向をつかみやすくなります。

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【業界別】ターゲティングDMの活用事例

ターゲティングDMによって上がる成果は、業界ごとに目指すものが異なります。以下4つの業界の例を参考に、活用事例とその違いを見ていきましょう。

小売り・通販業界

小売りや通販業界は、クリスマスやハロウィン、バレンタインなどのイベントが売り上げに大きく影響する業界です。前年の販売実績から多くの収益確保が望めるイベントを確認し、開催時期に合わせてDMを送ることで、顧客の購買意欲を刺激できます。

医療業界

医療業界ではターゲティングが非常に重要です。顧客の年齢層や性別、家族構成などによって、必要とする医療サービスが異なるためです。

例えば訪問介護サービスを提供している場合は、65歳以上の高齢者に対してDMを送付し、足腰や移動手段に不安を抱える方のニーズに訴えかけると良いです。同業者のライバルが少ない地域にDMを送ると、自社の強みをより印象付けられるでしょう。

また脱毛や脂肪吸引などの美容医療サービスを扱っている場合、サービスのターゲットである10〜30代の女性に絞ってDMを送付します。DMを送る際は公共機関の調査結果やアンケートデータ、医師監修のメッセージなどを添えると、顧客の不安を軽減させ、信頼性を高められるでしょう。

不動産業界

不動産業界では顧客の年齢や家族構成、ライフステージを考慮したターゲティングと情報発信が求められます。パートナーや子どもの有無などによって、顧客が求めるサービスは異なるためです。

例えばワンルームマンションの賃貸サービスを展開している場合、独身者や単身赴任者がターゲットです。地域や賃貸価格によっては、学生もターゲットに含まれるでしょう。DMには家賃や間取り図、最寄駅からの距離などを記載し、顧客の関心を引き付けます。

またDMを送る際はチラシやカタログなど、紙での発送を検討しましょう。居住物件や投資用物件などの取得は高額な買い物で、顧客は慎重な判断を下す傾向が強いです。紙のDMは再読される可能性が高く、保存しておけば何度も情報を見返せるため、顧客は少しずつ検討を進めやすくなります。

教育業界

教育業界では自社が扱うサービスによって訴求すべき相手が異なるため、保護者と子どものどちらにターゲットを絞るか、明確化しておくことが重要です。例えば学習塾や予備校を運営している場合、中学や高校、大学受験を控えた子どもを持つ保護者がターゲットであることが多いです。

保護者に「子どもを塾や予備校に通わせて学力を上げたい」と思ってもらえるよう、DMは受験シーズンや新学期に送ります。月謝や受験対策、合格実績などを記載し、他の塾との違いを印象付けられると、多くの生徒を獲得できる可能性が高まるでしょう。

また英会話や音楽教室などの習い事教室を運営している場合は、子どもがターゲットとなる場合もあります。対象年齢や発表会などのイベント情報、少人数制であることなどを記載し、楽しくて継続しやすい環境が整っている点をアピールします。

まとめ

ターゲティングDMのメリットは、高い開封率や行動喚起率です。顧客ニーズを反映したメッセージを送付するため、顧客からの素早い反応が期待できます。

ただしターゲティングDMを実施するには、多くの作業をこなさなければなりません。またDMの成果を把握するには、効果測定が必要です。

ターゲティングDMの効果測定を行う際には「DM+PLUS」の利用がおすすめです。「DM+PLUS」では顧客ごとに異なるQRコードを掲載し、QRコードを読み込んだ顧客の属性や行動傾向を可視化できます。

QRコードの発行はまとめて行うため、毎回メールで作成を依頼する必要はありません。ターゲティングDMを効率化するツールをお探しの方は「DM+PLUS」の導入をご検討ください。

※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

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