電話による営業活動や販売促進手法の一つである「テレフォン・アポイントメント」。
テレアポの略称で知られ、通信・訪問のいずれにおいても販売業務の一環として普及しています。
そんなテレアポですが、一部には「非効率」とする見解も存在しています。しかし本当にこの手法は効率がよくないのでしょうか。
デメリットや苦手な部分はたしかにあるものの、テレアポにはまだまだ多くのメリットがあります。
本記事では、テレアポが非効率と言われる理由と非効率ではない理由の両面を取り上げ、効率的に運用するためのポイントや適している商材・サービスについて解説します。
テレアポは非効率?
新規や見込み、あるいは継続や休眠などに分類される顧客に対して直接電話をかけてアプローチするテレアポ。
現地に訪問することなく会話ができるという電話の強みを生かした、従来からある王道的な営業手段の一つです。
しかし一人のオペレーターが一度にコンタクトできるのは原則一人であり、当然ながら必ずしも成果が上がるわけではないため、これを非効率とする考え方もあります。
電話だけではなくさまざまな連絡手段の選択肢がある現代では、テレアポだけに優位性があるわけではないということは事実といえるでしょう。
その一方で、いまだ多くの企業が専門のコールセンターを設置するなどしてテレアポを活用しています。
このことはテレアポが持つ営業手段としてのメリットが大きいことを示しており、運用によっては必ずしも非効率ではないことの証といえます。
テレアポが非効率だといわれる理由
では、なぜテレアポは非効率だといわれているのでしょうか。
現代社会におけるメディアや連絡手段の多様化が大きな要因と考えられますが、それを含めて代表的な理由を2点、以下に挙げました。
細かい根拠は業種や業態によって異なることが予想されますが、まずは一般論として考えられる点を把握しておきましょう。
オンラインで連絡をとる機会が増えたから
テレアポを非効率だとする理由の第一には、オンラインで顧客と連絡をとる機会が増えたことが挙げられます。
インターネットの普及によってEメールはもとより、特にスマートフォンの登場以降は各種のSNSも重要な連絡ツールとなっています。
これらを活用すると、例えば単純な情報発信のみに絞った場合にはテレアポをはるかに超える費用対効果を実現できるでしょう。
条件付きではありますが、このようにコストをかけずに大量の情報発信を行えるオンラインの手法と比較したとき、テレアポの効率が高くないとする考え方があります。
成果が出にくいから
第二の理由は、テレアポでは成果が出にくいとするものです。
例えば販売において成約にまで至るには、運は別として通常は何件も電話をかける必要があります。またそもそも電話に出てもらえることばかりではなく、地道な作業となるのも珍しくありません。
このような状況はどういった形の営業活動でも同様で、訪問営業と比べたときのテレアポ効率についてはコストパフォーマンスで劣るものではないでしょう。
ただし前項での理由と同じく、オンラインでの連絡で済むことであれば省力化が可能なため、テレアポが非効率に感じる部分があるといえます。
テレアポが非効率ではない理由
次にテレアポが必ずしも非効率とはいえない理由について見ていきましょう。
いずれもテレアポの持つメリットと言い換えることもでき、電話で直接会話するという特性によるものです。
以下、4点を挙げました。
早くコンタクトが取れるから
まずはコンタクトを取れるまでのスピード感の速さが挙げられます。
相手が電話に出て、なおかつ話を聞いてくれればそのまま商材やサービスの案内といったコンタクトにつながるため、スムーズに進行した場合の速さは特筆すべきメリットです。
例えばWeb広告であればそれを目にする不特定多数に訴求することが可能ですが、そのうち広告に興味を持ってクリックし、遷移先の内容を確認した上でコンタクトを取ってくれるのを待つ方法は不確定要素が大きくなります。
こうしたケースと比べた場合、テレアポは決して非効率とはいえないでしょう。
ヒアリングができるから
直接顧客と会話をするテレアポでは、詳細なヒアリングを行えるのも大きな利点です。
Webでもアンケートフォームやメールの問い合わせ窓口などを設けていますが、顧客自身の生の声を聞いて反映させられるのはテレアポ独自のアドバンテージです。
あらかじめ決められた質問と回答の選択肢が設定されたアンケートではどうしても恣意的になる面がありますが、電話で話すとそこからだけでは汲み取れない要望やニーズが見えることもあります。
Webではリーチできない層にアプローチできるから
テレアポの強みとしてWebではリーチできない、あるいはしにくい層に対してのアプローチが容易という点があります。
その層は特に専門性の高い商材やサービスであることが多く、ニッチであることからそもそもWebでの訴求が十分な効果を発揮しにくい傾向があります。
直接電話をかけるテレアポならばそうした層に確実なアプローチが可能です。
能動的にアプローチできるから
テレアポが非効率ではないことの象徴的な理由として、能動的なアプローチが可能という点が挙げられます。
顧客からのコンタクトを待つのではなく、こちらから電話をかけてアプローチするのは営業をかけることと同義です。
必ずしもコンタクトに成功するわけではありませんが、架電数を増やすごとにその確率は上昇します。
このように企業の側から働きかけることで顧客の細かいニーズを引き出すことにもつながり、電話を通して人間が直接会話することの価値が引き立つといえるでしょう。
テレアポの効率を上げるポイント
ではテレアポの効率をアップさせるためには、具体的にどのような点に注意すればよいのでしょうか。
テレアポを効率的にするターゲットの選び方について、以下に3つのポイントを挙げました。
既存顧客から見込み顧客を紹介してもらう
一つには自社の商品・サービスを利用してくれている既存顧客に、見込み顧客を紹介してもらってアプローチするという方法です。
テレアポではある程度の架電数をこなすことも戦略ですが、やみくもに電話をかけるよりも可能性の高いターゲティングを行うことが効率的です。
既存顧客は商品やサービスの利点をよく把握しており、同様のニーズに対しても知見があると考えられるため有効な見込み客を提案してもらえる可能性があります。
休眠顧客の掘り起こしをする
過去に商品やサービスを購入・利用したことがあるものの、それ以来長らくリピートがない顧客を休眠顧客といいます。
テレアポはこうした休眠顧客の掘り起こしにも適しており、会話による直接のアプローチで再度の購買行動を喚起します。
休眠顧客の持つメリットは購入や利用の経験で、新商品の案内や特典のお知らせ、アンケートへの回答依頼などアプローチの切り口もさまざまです。
DM送付後にテレアポを行う
テレアポはその他のアプローチ法と組み合わせて実施することで相乗効果を発揮しますが、中でも紙のDM(ダイレクトメール)と併用する方法がおすすめです。
先にDMを送付しておいて事前情報や予備知識を読んでもらい、その上で直接会話による案内や訴求を行うというものです。
本人宛てのDMは開封して読んでもらえる確率が高いツールで、商品サイトのURLやQRコードを記載するなどWebへの動線を設定することもできます。
また追跡サービスを利用することで顧客の元へ届くタイミングを予測できるため、そうした情報に従って架電のタイミングを計ることもできるでしょう。
先行したDMの内容を手元に置いて見てもらいながらテレアポによる口頭の案内を加えるといった使い方もでき、より顧客の印象に残るアプローチが可能です。
関連記事:ダイレクトメールのメリット・デメリットは?CRMによる役割や活用方法も紹介
遷移先:https://dmplus.jp/column/what-are-the-advantages-and-disadvantages-of-direct-mail/
テレアポが向いている商材やサービス
次にテレアポで訴求するのに向いている商材やサービスにはどのようなものがあるのかについて見てみましょう。
費用と時間をかける価値のあるものや、営業で差別化を図りたいもの、ニーズが明確であるものなど4例を挙げました。
単価の高い商材やサービス
テレアポで訴求する商材やサービスは、単価の高いものが向いています。
マンパワーによるテレアポは費用と時間を要する営業手段であるため、契約が成立した際にコストを回収しやすい価格のものに投入するのがセオリーです。
そうした高単価の買い物は顧客側も慎重になることが予想されるため、口頭での案内やアプローチで安心感や信頼感を抱いてもらうことも重要な目標です。
継続が見込める商材やサービス
継続的な購入・利用を見込める商材やサービスもテレアポの運用に適しています。
仮に単価が高くないものであっても二回・三回、あるいはそれ以上に続けて売上が期待できる場合には、長期的な視点でのコスト回収が可能です。
サプリメントやコスメなど定期利用が基本となる商材や、美容関係など一定期間ごとの利用が見込まれるサービスなどが挙げられます。
競合他社との差別化が難しい商材やサービス
商材やサービスにはどうしても類似したものが出現し、競合が多くなるほどに自社の競争力アップを工夫する必要が出てきます。
明確に他社のものと差別化できるポイントを重点的に訴求することも大事ですが、状況によってはそれが難しい場合もあります。
そうしたケースではテレアポによる訴求力がより効果を発揮することもあるため、自社商材・サービスの魅力をアピールするために活用しましょう。
ただしトークスクリプトの整備やオペレーターの育成など、戦略的な取り組みが必要です。
法人向けの商材やサービス
テレアポは法人向けの商材やサービスでの運用にも適しています。
個人が対象であればそもそも電話に出てもらえるとは限りませんが、法人であればほぼ確実に受けてもらえ、要件は専門の部署や担当者につないでもらいやすいといえるでしょう。
また法人ははっきりしたニーズがある場合が多いと考えられ、商材やサービスにメリットを感じてもらえればより詳細な商談に発展する可能性が高くなります。
まとめ
テレアポが非効率であるという説に対して、この営業手法が持つメリットや実際の運用でのポイントなどを解説しました。
利便性の高いオンラインでの連絡が浸透している現状ですが、人間が直接話すテレアポの効果は健在です。
上手にテレアポを活用して、販促活動をより効果的なものにしましょう。
販売促進やマーケティング施策に有効な分析型DMを提供するDM+では、顧客ごとのDMに固有のQRコードを添付し、送付後のトラッキングができる「ユニークQRコード作成サービス」を展開しています。
これによりDMを受け取った後にどういった行動をとったか、あるいはそれをきっかけとして商品の購入やサービスの利用に至ったかをモニターすることも可能です。
テレアポとの相乗効果を発揮する紙DMを利用した販促・マーケティング施策に、ぜひご活用ください。